MUSIC

2012.04.01 (Sun)
Bernard Purdie

「Bernard "Pretty" Purdie」と聞いて思い出すのはJames Brownとのセッション?それともAretha Franklinの伝説のライヴ?いやいやSteely Danでのスーパープレイ?などなど、参加したアルバムやトラック数は、、、オレの理解できる範囲ではない。

今回は60年代後半から70年代にかけて、Jazzのレーベルからリーダーアルバムをリリースしているのでその時代を中心に紹介しよう。

-Soul Drums-


1967年にリリースされた記念すべき初リーダー作!ソロ名義のアルバムではオレも一番好きなアルバムだ!その後「Stuff」を組むことになる、Richard TeeとEric Galeが参加しているところも見逃せない。1曲目のタイトル曲「Soul Drums」から、もう、最高に爆発している!!!インストゥルメンタルが苦手という人にも是非とも聴いてもらいたいアルバムだ。現在、ボーナストラックが8曲追加(幻の2ndアルバム「Soul Finders」の曲のようだ!)されたものが発売されている。

-Soul Brother #1/James Brown-


1967年を遡ること約2年、手元の資料によるとJames Brownとの初セッションはNew Yorkのスタジオで、このアルバムに収録されている「Ain't That A Groove」のようだ。その3ヶ月後にMr. James Brownは大ヒット曲「It's A Man's Man's Man's World」を録音するのだがこの経緯がなんともJames Brownらしい。1964年、タイトルもまだ「It's A Man's World」と「Man’s」が二つも少なかったこの曲を自身のバンドで録音するも、そのテイクがあまり気に入ってなく、1966年になってアレンジャーのSammy Loweに新しいアレンジを依頼。そこでメンバーも前出のNew Yorkのスタジオミュージシャンが集められ、新たに録音されたのが我々がよく知っているテイクだ。タイトルも「It's A Man's Man's Man's World」と変更され、シングル曲として大ヒットする。このテイクのドラムがBernard Purdieということ。その時のセッションでギターを弾いていたBilly ButlerはEric Galeと共に先のアルバム「Soul Drums」にも参加しているのがおもしろい。ちなみにJames Brownのバンドで録音された「It's A Man's World(ドラムはMelvin Parker)」はMr. James BrownのCD Box Set「Star Time」で聴くことができる。

-Purdie Good!-


1971年にリリースされた3作目。1曲目のJames Brownのカヴァー「Cold Sweat」から全開!!!このアルバムではベースにGordon Edwardsが参加と、後の「Stuff」のメンバーがアルバムごとに入れ替わりで出てくるのがなんとも興味深いところ。

-Cold Sweat/James Brown-


ご存知Mr. Dynamite!!! James Brownの超名盤!タイトル曲のオリジナルは1967年、こちらも「Funky Drummer」で有名なClyde Stubblefieldが叩いているのだが、このアルバム収録のM-3「Fever」のドラムがすごい!!!詳細なクレジットがないので推測になってしまうのだが、収録されているその他の曲でもBernard Purdieのクレジットがあることと、フィルインの感じ、スウィング感、全体の曲の構成力などから、おそらくBernard Purdieが叩いているものと思われる。なんせこの曲でのキックの歌い方は素晴らしい!ドラマーの方には下半身の練習曲として是非とも実践してもらいたい。

-Stand By Me-


1971年、秋頃(?)にリリースされた4作目。この年の3月にKing Curtis & The KingpinsのドラマーとしてAretha Franklinの伝説のライヴ、「Live At Fillmore West」に参加している。おそらく前作と今作の間にこのライヴへの参加があったと思われる。録音されたのが1971年の8月ということなので、Bernard Purdie自身、ノリにノッているのがよくわかる。1曲目のタイトル曲ではドラムだけではなく、その熱い歌声も披露している。素晴らしい!他にもAretha Franklinのレパートリーとしても演奏されている「Spanish Harlem(オリジナルはThe Driffters!)」やGil Scott-Heronの語りから始まる「Artificialness」、The Jackson 5でおなじみの「Never Can Say Goodbye」、Carole Kingの「You've Got A Friend」「It's Too Late」、そしてセンスが光る「Funky Mozart」など名演多数!!!そしてまたもや後の「Stuff」のメンバー、Cornell Dupreeが出てくるのはThe Kingpinsの流れなんだが、そこがなんともおもしろい。

-Young, Gifted & Black/Aretha Franklin-


このアルバムをウルフルズのプロデューサーだった伊藤銀次さんに教えてもらったのが、そもそもBernard Purdieとの出会いだった。M-2の「Day Dreaming」、M-3の「Rock Steady」は忘れようにも忘れられない名曲、名演だ!!!そしてM-1には何度も書いているがAl Jacksonのスーパープレイが収められている。そんな意味でもこのアルバムはオレには特別な1枚になってしまった。1972年リリース。

-Soul Is...-


1972年にリリースされた5作目。Marvin Gayeの「What's Goin' On」からBill Withersの「Ain't No Sunshine」を通ってまた「What's Goin' On」と心憎い演出で始まるこのアルバム。続くM-2「Don't Go」ではまたもや熱い歌声を披露してくれている。Aretha Franklinの名曲「Day Dreaming(もちろんオリジナルでもドラムはBernard Purdie!)」や、ずばり「Song For Aretha(話しがそれるがGeorge Jacksonの『Aretha, Sing One For Me』という曲も名曲!!!)というタイトルの曲も収録されているところから、前年に出会ったAretha Franklinの影響がかなり色濃く出ているのがよくわかる。1作目のような目に見えるわかりやすさは影を潜めた代わりに、内に秘めたる熱き想い(=これがBernard PurdieのSoul Drumsだと思う!)を強く感じるのはオレだけじゃないはず。M-6「Heavy Soul Slinger」のドラミングはもう、なんだろうね!名盤!!!

-Shaft-


1973年にリリースされているのだが、録音されたのは1971年の11月ということなので順番的には「Stand By Me」と「Soul Is...」の間の作品と思っていいだろう。
「Soul Is...」での内なる熱き想いというよりはもっと直感的なインストゥルメンタルアレンジが全体になされているように感じる。タイトル曲「Theme Of Shaft」はIsaac Hayesでおなじみの人も多いと思うが、こちらはストリングスなどでソフィスティケイトされておらず、もっと剥き出しの原始的な「Theme Of Shaft」と言った感じだろうか。スネアのスナッピーをオフにしたサウンドといい、独特のタムタム音といい、「Theme Of Shaft In Africa」と言っても言い過ぎではないくらいのカッコよさがここにはある!!!後にハズせないレパートリーの1曲になるBuddy Milesの「(Them) Changes」も最高だ!!!なんせこのジャケットが最高!!!

今回はソロ作、James Brownとのセッション、Aretha Franklinとの作品しか紹介できなかったが、まだまだ名演が数多くあるBernard Purdie。そんな彼のインタヴューが2008年3月号のドラムマガジンに載っていたのだが、そのインタヴューはこんな言葉で終わっている。

「オレは人にも練習しろと言うけれど、自分でもよく練習する。練習、練習、また練習。オレたちは常に練習していなきゃならないんだ。練習しすぎじゃないかなんていう心配は無用だ。練習に時間をかければかけるほど、得る者は大きいからね。常に磨きをかけておく。磨きをかけるために必要なことは何でもやる。そして、身についた実力を失わないようにするんだ。自分自身をドラムとは違った視点から見ることも大切だ。ドラムやカウント、リズム、メロディがなかったらどうなるかを考えてみる。そうすれば、これらすべてが相互に作用し合っていることがわかるはずだ。つまり、自分が良い気分で演奏するためには、バンドの他のメンバーの存在が必要なんだ。意味のある演奏をするためにはね。そのためにはまず、実力に磨きをかけること。実力があれば、世界中どこへ行っても良い演奏ができるからね。そして、謙虚な気持ちがあっても悪いことはない。実力を磨く。練習、練習、練習、そしてまた練習。練習ばかりしている人をからかったりするけれど、真実はただ一つ、練習を忘れるなということだ。実力に磨きをかけるために、やらなければならないことは何でもやる。そして"ワン"の位置を決して忘れないように!」

By Bernard Purdie

2012.04.01.

2012.02.10 (Fri)
これもブルース 第21回 「キング・オブ・ブギー!」

John Lee Hooker

イラスト

Boom Boom/John Lee Hooker


「Boom Boom Boom Boom !」と始まるこの曲。いろんな人がカヴァーしているので聴いたことがある人も多いんじゃないかな。オレも一番最初に聴いたのはイギリスのバンド、The Animalsのヴァージョンだった。「Shake It Baby!」というコーラスが入っていて、ちょっとポップな感じになっているので、違う曲に聴こえなくもないが、、、(ちなみにこのバンドでベースを弾いているChas Chandlerは、のちにJimi Hendrixを見つけてイギリスでデビューさせたことで知られている)。それからかなりの年月が経って、伊藤銀次氏にTony Joe Whiteの「Boom Boom」を教えてもらうのだが、これがめちゃめちゃカッコイイ!ビート感が原曲とは違っているのもあり、最初、同じ曲とは思えなかった。Tony Joe Whiteの声にもピタリとはまっていて見事なカヴァーだ!

John Lee Hookerは1948年に初レコーディングしてから2001年に亡くなるまでのキャリアの中で、本当にたくさんのレコードを吹き込んでいる。その時々のレコードレーベルによって、弾き語りだったり、バンド編成だったり、アコースティックだったり、エレキを弾いてたり、とスタイルはさまざまなんだがどれもJohn Lee Hookerなのは間違いない。

-Burnin'-


上記の大ヒット曲「Boom Boom」が収録されている、1962年Vee Jayからリリースされたアルバム。初めてJohn Lee Hookerを聴くという人にはおすすめのアルバムだ。デトロイトで活動していたのもあり、バックを務めるミュージシャンは、おそらくあのMotown Recordsの面々。そんなとこも親しみやすく、興味深いアルバム。M-12の「What Do You Say」のメロディがHowlin’ Wolfな感じもとても興味深い。

-I'm John Lee Hooker-


「Burnin'」から遡ること3年。1959年にVee JayからリリースされたJohn Lee Hooker、初のアルバム!1曲目の「Dimples」はThe Spencer Davis Groupというか、Steve Winwoodが取り上げたことでも有名。他にも大ヒット曲の「Boogie Chillun」や「Hobo Blues」、「I'm So Exited」、「I'm In The Mood」など聴きどころ満載!M13〜M18はCD化の際に追加収録されたとのこと。録音は1955~1959年のセッションのようだ。小出斉氏のライナーノーツも最高なので是非とも読んでもらいたい。

-On Campus-


1963年、Vee Jayからリリースされたアルバム。M-1〜7までがホーンも含むバンド編成。しかもコーラスで参加しているのが「Heatwave」でブレイク直前のThe Vandellasだというから驚きだ!M-8〜12がJohn Lee Hookerの歌とギターにドラムのみ、という両極端なアルバム。1曲目の「I'm Leaving」は文句のつけようのないカッコよさ!!!他にもVan MorrisonがThem時代にすでに取り上げていた「Don't Look Back」、軽快なテンポにThe Vandellasのコーラスが小気味良い「I Want To Shout」、ドラムのみをバックにブギが爆発する「I Want To Ramble」など、見所満載の好アルバム!

-THE BEST OF FRIENDS-


タイトルからわかるように1989年の「The Healer」、1991年の「Mr. Lucky」、1992年の「Boom Boom」、1995年の「Chill Out」、1997年の「Don't Look Back」からそれぞれVan Morrisonをはじめ、Ry Cooder、Nick Low、Carlos Santana、Bonnie Raitt、Ben Harper、Robert Cray、Ike Turnerと、John Lee Hookerを敬愛してやまないミュージシャンとの共演を集めたものに、新録3曲がプラスされた豪華セルフカヴァーベスト盤!!!1曲目が新録の一つ「Boogie Chillen」なんだが、これが、本当にすごい!!!クレジットをみるとEric ClaptonやJim Keltner、そしてBill Payneの名前が、、、。さすがとしか言いようのない演奏だ!!!アルバム全体の印象は晩年のJohn Lee Hookerが子供や孫達に囲まれて一緒に歌い、演奏しているような、そんな雰囲気の好編集アルバムに思える。John Lee Hookerを知りたい人はここを入り口に遡ってみるのも良いかもしれない。


「いつコードが変わるんやろう?」と思うくらい1つのコードで突っ走るのが、John Lee Hookerのスタイルとして定着している。が、そういうところが退屈すぎて、以前はあんまり聴かなかった、というか、聴けなかった。そんなオレは耳でしか聴いていなかったんだなぁ、、、。

最後にJohn Lee Hookerの名言を。

「コード・チェンジっていうのは、歌ってる自分の気持ちがチェンジするからするもんなんだ」

これもブルース。

初掲載:2008.08.29.
加筆、修正:2012.02.10.

2012.02.01 (Wed)
George Harrison

2011年、Martin Scorseseの監督で映画「Living In The Material World」が日本でも公開されたので観られた方も多いのではないだろうか。The Beatles時代から、ソロキャリアでの知らなかった話しなど前編、後編からなる約3時間30分は見応え充分の内容だった。オレにとってはThe Beatlesのことがさらに好きになる素晴らしい映画だった。

上記の映画でも触れられていたが、1968年、George Harrisonが映画音楽を手がけているのだが、これが初のソロワークのようだ。

-Wonderwall Music-


このアルバムは基本的にSoundtrackなので歌入りのソロというのは「All Things Must Pass」が製作されるまで待たなくてはならないのだが、The Beatlesでは出来なかったGeorge Harrisonのアイデアや、曲の構想が随所に見え隠れしていておもしろい。映画の場面用に作られたSoundtrackなんで本当に興味のある方にしかおすすめはしない。実際の映画も見てみたいと思うのはオレだけじゃないだろう。しかし、M-14に収録されている「Cowboy Music」のメロディは何度聴いてもThe Whoの「A Quick One, While He's Away」の途中で出てくる「Will You Soon Be Home~」のメロディと重なってしまうのは偶然?

-All Things Must Pass-


The Beatles解散後、名プロデユーサー、Phil Spectorとともに作られた超名盤!!!アナログ盤では3枚組で発売された。上記の映画の中でのPhil Spectorのインタビューでも「ジョージに『ちょっと曲を聴いてくれないか?』と言われ彼の家に行ったんだ。そしてジョージの曲を聴きだしたんだが、それが全然終わらないんだよ!結局朝まで聴いたんだがそれくらい彼の中にはアイデアが溜まりに溜まっていたんだ!」その言葉から3枚組というボリュームになっていったのはおおいにうなずける。「My Sweet Lord」「Wah-Wah」「Isn't It A Pity」「If Not For You」「Awaiting On You All」などなど、George Harrisonの魅力満載の本当に素晴らしいアルバムだ!

Awaiting On You All

-Living In The Material World-


映画のタイトルにもなったこのアルバムは1973年にリリースされた。マイ・ベストに挙げる人が多いのもうなずける素晴らしい内容だ!シングルカットされ全米1位に輝いた「Give Me Love」、Jesse Ed Davisに提供した「Sue Me, Sue You Blues」、「The Light That Has Lighted The World」、タイトル曲の「Living In The Material World」などなど名曲多数の名盤だ!

-Dark Horse-


1974年にリリースされた3rdアルバム。意表をついたInstrumentalの「Hari's On Tour」で始まるところや、名曲「Far East Man」、「Maya Love」、タイトル曲の「Dark Horse」、そしてGeorge Harrisonにしかおそらく書けないであろう「It Is "He" (Jai Sri Krishna)」などなどオレはけっこう好きなアルバムだ。

-Extra Texture-


1975年にリリースされた4作目。邦題は「ジョージ・ハリスン帝国」として知られている。1曲目の「You」からもう最高に好きな感じだ!この曲はThe Ronnetsのリードシンガー、Ronnie Spectorのために書き下ろされたが未発表に終わったらしく、そのときのバックトラックの回転数を変え、新たにオーバーダビングと歌を入れて生まれ変わったようだ。The Beatles時代からもGeorge Harrisonが取り上げる曲は女性コーラスグループの曲が多いなぁと思っていたのだが、本当に大好きなのがよくわかる。しかし、Ronnie Spectorの声でこの曲を聴いてみたいと思っているのはオレだけじゃないハズ。他にも「This Guitar」、タイトルからしてニヤリとしてしまう「Ooh Baby」、「Can't  Stop Thinking About You」など名曲の多いアルバム。

-George Harrison-


自身のレーベル「Dark Horse」は立ち上げたものの、EMIとの契約が残っていたのもあり、なかなか思っているように事が進まなかった時期を経て、ようやくDark Horse/Warner Bros.に移籍し、そのレーベルから1979年にリリースされた2ndアルバム。1曲目の「Love Comes To Everyone」から大人な雰囲気が漂っている。以前というかかなり昔に一度聴いたのだが、その時はこの「大人なムード」がオレには理解できず全然好きになれなかった。が、いま聴くと素晴らしいアルバムだ!他にもThe Beatlesのアウトテイクでもおなじみの「Not Guilty」、これまたタイトルからニヤリとせずにはいられない「Here Comes The Moon」、スライドギターが印象的な「Blow Away」などなど、こちらも名盤!

-Cloud Nine-


1987年リリース。このアルバムジャケットはオレもよく覚えている。当時17才(!)だったのだが、The Beatlesを聴き始めてすぐだったのもあり、メンバーの中でも一番最後に名前を覚えたのがGeorge Harrisonだったので、シングルカットされた「Got My Mind Set On You」を聴くと=George Harrisonのような覚え方をしていた。プロデューサーにJeff Lynneを迎え作られたこのアルバムは先のシングルヒットもあり大ヒット!

-Brainwashed-


2002年にリリースされた最後のスタジオ録音盤。残念ながらこのアルバムの製作中にGeorge Harrisonは亡くなってしまう。その後をプロデューサーのJeff Lynneと息子のDhani Harrisonが引き続き製作し完成させたのがこのアルバムだ。是非とも聴いてみてほしい。

他にも紹介していないアルバムやライヴDVDなどもたくさんあるので、興味のある方はそちらも要チェック。

2012.02.01.

2012.01.13 (Fri)
これもブルース 第20回 「レジェンダリー・スーパーハープ・ブルースマン!」

James Cotton

イラスト

当時この連載が20回目を迎えたときに伝説のBLUES MAN、James Cottonが来日。2008年の7月11日の金曜日、六本木はミッドタウンの中にあるライヴハウス、ビルボードに行ってきた。 

1935年、ミッシシッピー生まれ。担当楽器はハープ(ハーモニカのこと。ブルースマンが吹いている10穴ハーモニカを称してブルースハープという)、そして歌。ブルースハープの草分け的存在、Sonny Boy Williamson Ⅱに師事し、1956年から約10年間、Muddy Watersのバンドでハープを吹いている。その後、自身のバンドを組んで活動。1974年にアルバム「100%COTTON」を発表。

-100% COTTON-


昔、トータス氏にこのアルバムを借りたのが、James Cottonを知るきっかけになった。超絶タイトでスピード感あふれる演奏は、いま聴いても熱くなるアルバム!超名盤!!!

Rocket 88/James Cotton Blues Band



19時過ぎに会場に到着。すでに始まっているが御大James Cottonはまだ登場しておらず、バンドメンバーがスローブルースを演奏している。曲の間奏で「プイーン、プイーン」とチョーキングしながらソロを弾きまくってるのはなんとベーシストの方。さすがサービス精神旺盛だ。

そのスローブルースが終わり、いよいよ御大James Cottonの登場。軽快なシャッフルのリズムに合わせて、「Mr. Super Harp!!! Legendary!!! James Cotton!!!!!」と呼び込むと、

「パィーッン!」

といきなりハープの音。ステージ下手からハープを吹きながら登場!おぉー!体がめちゃめちゃデカいー!!!でもその巨体が「Legendary」に相応しく、強烈な存在感を放ってる!黒のハンチング帽に赤いシルク(綿ではなかった)のシャツ、パンツは黒いスラックスだった。首もとにはゴールドのネックレスにゴールドの腕時計、両手の薬指に指輪がガキーン!と光っていた。

73才という高齢を考えると、ステージに椅子が用意されているのは何も不自然には思わない。それどころか両手を振り上げてバンドに指示を出してはハープを吹き、曲が終わったと思ったらすかさず次の曲のイントロを吹き始めたり、ハープを持ってる左手を右手でバシバシ叩いたりするその姿には、終始椅子に座っていても、なにか熱いものを感じた。

ライヴも後半、「I've Got My Mojo Workin'」で客席は大盛り上がり!これにはJames Cottonも気を良くしたのか、リフレインを何度も繰り返していた。もちろんオレも大声でレスポンス。次の「Sweet Home Cicago」で本編が終了。アンコールで出てきたときに巨体を揺すりながら、ダンスというかステップを披露してくれたのだが、さすが、サービス精神が旺盛だわ!サービスといえば、ハープを縦にパクッとくわえる、師匠のSonny Boy Williamson芸もちらっとやってくれたりして、「Mr. Super Harp!!! Legendary BLUES MAN!!! James Cotton!!!!!」のライヴは終了した。

伝説の人というのは観れるだけでも本当にありがたい存在。

「椅子に座っていようが熱いライヴはできるんだ!」と言っているように見えたし、

「ライヴをやり続けることがオレのブルースなんだ!」

とも言っているようにも思った。

そんなことを感じたJames Cottonのライヴだった。

これもブルース。

初掲載:2008.08.01.
加筆、修正:2012.01.13.

2011.12.16 (Fri)
これもブルース 第19回 「叫ぶ!ロックンロール・クイーン!」

Little Richard 

本名 Richard Wayne Penniman

イラスト

「Rock'n'Rollの創始者」、自称「Rock'n'Roll Queen」(ちなみにKingは当然ながらElvis Presley)などLittle Richardには「Rock'n'Roll」という言葉が常に付いて回っている。オレの中での「Rock'n'Roll御三家」は第5回のBo Diddley、第17回のChuck Berry、そしてこのLittle Richard。BLUESからRock'n'Rollへの橋を架けた重要な3人だ。

Slippin' And Slidin'/Little Richard


1932年、アメリカのジョージア州で生まれたLittle Richard。祖父が牧師だったこともあり、祖父母、父親も教会で歌っていたようだ。そんな環境もあり当時のゴスペルミュージックには相当の影響を受けて育ったようだが、中でも一番のお気に入りはSister Rosetta Tharpeだったという。

Up Above My Head/Sister Rosetta Tharpe


そして歌手として一番影響を受けたのがゴスペルシンガーのMarion Williams。Little Richardのトレードマークともいえる「whoooo!!!」というボーカルスタイルはまさにこの映像で確認できる!

Packin' Up/Marion Williams

-Hail! Hail! Rock'n'Roll-


Chuck Berryの「Hail! Hail! Rock'n'Roll」4枚組のコンプリートDVDに収録されているBo Diddley、Chuck Berry、Little Richardからなる3者対談完全版によると「Muddy Watersが大好きでよく観に行っていた。Elmore Jamesも、Sonny Boy Williamsonも、Little Walterもよく観に行っていた!」と言うLittle Richardの言葉からも、ゴスペルシンガーだけではなく、ブルースマンからも相当な影響を受けていたのがよくわかる。

-Here's Little Richard-


1957年、Specialty Recordからリリースされた記念すべき1stアルバム。「ワッパラルッバッバランバンバン!」と「Tutti Frutti」で幕を開けるのだが、これは何度聴いても興奮してしまう!他にもPaul McCartnyがThe Beatles時代に取り上げたことでもよく知られる「Long Tall Sally」、KIng Of Rock'n'Roll、Elvis Preselyも取り上げた「Ready Teddy」「Rip It Up」、そして冒頭に挙げたJohn Lennonのカヴァーでも有名な「Slippin' And Slidin'」などなど、、、「Rock'n'Roll」の超名盤がこのアルバムだ!バックを固めるのはNew Orleansのミュージシャン達。このセッションでドラムを叩いているのが「バック・ビートを叩いたドラマー!」で有名なEarl Palmerだ!そんな意味でもこのアルバムこそいまの時代に聴いてほしい。

Bo Diddley、Chuck Berryらと共に、BLUESからRock'n'Rollへの架け橋を作ったLittle Richard。

最後にLittle Richardが対談で言っていた言葉を。


「Rock'n'RollはアップテンポなRhythm&Blues。それとBoogie Woogie!!!」



これもブルース。


初掲載:2008.07.18.
加筆、修正:2011.12.16.

2011.12.01 (Thu)
Steve Winwood

現在、Eric Craptonと共に来日中のSteve Winwood。この人のBlues、Rhythm&Blues、Soul Musicへの情熱はハンパない。それはデビューしたバンド、The Spencer Davis Groupの音源からもビシビシと伝わってくる。もちろんオレが初めに知ったのも、The Spencer Davis Groupの名曲、Gimme Some Llovin'を歌うSteve Winwoodだった。そんなこともあってSteve Winwoodを紹介するにあたり、The Spencer Davis Group時代はさけては通れないのだ。

The Spencer Davis Group
are
Spencer Davis : Vo. Gtr.
Steve Winwood : Vo. Gtr. Key.
Muff Winwood : Bass
Pete York : Drums

-First Album-


記念すべきデビューアルバム。1965年の7月リリース。このときSteve Winwoodは若干16才という若さというから驚きだ!!!John Lee Hookerの「Dimples」やIke & Tina Turnerの「It's Gonna Work Out Fine」、オリジナル曲の「Here Right Now」など歌唱力、演奏力はすでにホンモノだ!

-Second Album-


大ヒット曲「Keep On Running」収録の2ndアルバム。1966年1月リリース。Ray Charlesの「Georgia On My Mind」やThe Impressionsの「You Must Believe In Me」など、とても若干17才とは思えない歌いっぷり。

Keep On Running/The Spencer Davis Group

-Autumn '66-


前作から8ヶ月後の1966年9月にリリースされた3rdアルバム。このアルバムを最後に兄でBassのMuff Winwoodとともにバンドを去ることに。この頃のシングルが「Gimme Some Lovin'」「I'm A Man」とThe Spencer Davis Groupの中でも特に人気の曲だ。「Gimme Some Lovin'」はThe Blues Brothersが取り上げたことでも知られている。

Gimme Some Lovin'/The Spencer Davis Group



現在、ボーナストラック入りで上記の3枚はCDとして手に入れることができるのだが、これがなかなかCD化されなかった記憶がある。かと言って上記のアナログ盤を見つけても相当な値段だったため長い間入手困難状態だった。そんなときに発売されたのがこの編集盤だ。

-Eight Gigs A Week-Steve Winwood Years-


上記3枚のアルバムからSteve Winwoodに焦点を当てたベスト盤。2枚組というボリュームというのもあり内容はとても充実している。代表曲はすべて網羅されているので一家に1枚といったところだろう。

The Spencer Davis Groupを脱退後、結成したバンドがTrafficだ。

Traffic
are
Steve Winwood : Vo. Gtr. Key. Bass
Jim Capaldi : Drums Per. Vo.
Dave Mason : Vo. Gtr. Bass.
Chris Wood : Flute Sax.

-Dear Mr. Fantasy-


1967年にリリースされた1stアルバム。当時イギリス盤とアメリカ盤でジャケット、内容が違っていた。簡単に言うとイギリス盤にはシングル曲が含まれていない。アメリカ盤のジャケットにはDave Masonが写っていない。いまではどちらも考えられない話しだが。

Paper Sun/Traffic

-Traffic-


1968年にリリースされた2ndアルバム。Dave Mason作の曲とSteve Winwood作の曲がいいバランスで入っているように思う。「Feelin' Alright ?」「Don't Be Sad」どちらもDave Masonの曲なんだが大好きなので一時こればっかり聴いていた。


このアルバム発表後、Dave Masonが脱退。Steve WinwoodもCreamを解散した直後のEric Crapton、Ginger Bakerらと「Blind Faith」を結成。

-Blind Faith/Blind Faith-


日本では「スーパージャイアンツ」というタイトルでリリースされていたらしい。Blind Faith唯一のスタジオ録音盤。1969年リリース。しかしながらライヴツアー終了後の10月にはあえなく解散してしまう。しかし、このジャケットはどうなんよ、、、。

その後Trafficを再開、発表されたアルバムがこれだ。

-John Barleycorn Must Die-


1970年リリース。どうもSteve Winwoodのソロとして途中までは制作していたようだが途中からTrafficでの制作になったようだ。1曲目の「Grad」から転がるピアノが最高にカッコイイ!!!

このあともTrafficとしての活動は1974年まで続くのだが、途中にはJim GordonやRoger Hawkins、David Hood、Barry Beckettらの名前がメンバークレジットされている時期もあるので、興味のある人は聴いてみてほしい。

解散後からはソロとして活動。1986年にリリースされた「Back In The High Life Again」(これはThe Spencer Davis Group時代の名曲「Back Into My Life Again」をもじっているとしか思えない)が全米で大ヒットしたようだ。興味のある方は聴いてみてほしい。


2011.12.01.

2011.11.15 (Tue)
これもブルース 第18回 「悪魔と取り引きしたブルースマン!」

Robert Johnson

イラスト

どこで名前を知ったのか?いま思うとはっきりと思い出せない。

「BLUESといえばRobert Johnson!Robert Johnsonを知らずにBLUESを語るなかれ!」

というような言葉が、音楽雑誌のインタビューに載っていたのか、はたまたレコードのライナーノーツだったのか、友達の一言だったのか、なんせ「Robert Johnson」の名前がインプットされたのはちょうど高校を卒業した頃だった。その一言を真に受けて大阪梅田のエストワンというショッピングモールのはずれにあったレコードショップ、ワルツ堂(なつかしい!)に行き、探し当てたのが「KING OF THE DELTA BLUES SINGERS」というレコードだった。

-King Of The Delta Blues Singers-


いかにも怪しげなジャケットなんだが、いろんな本やらインタビューを読んでいるとこのアルバムが発売されたのは1961年とのこと。Keith RichrdsもEric Craptonもこのレコードを聴いてRobert Johnsonを知ったということだった。なぜアルバムジャケットがイラストなのかというと当時はまだRobert Johnsonの写真が存在しなかった、あるいは発見されたが本人ではなかったということがあり、このイラストになったものと思われる。なんせ悪魔との取引で自分の魂と引き換えに、高度なギター奏法、歌唱法を手に入れたという伝説は有名な話しだ。そんな伝説のブルースマンが歌うブルースは、当時18、19才のオレには全然、全くと言っていいほど受け入れられなかった。が、手放さずに持っていたのにはなにか縁があったのだと思いたい。全ての音楽ファンにRobert Johnsonが受け入れられることは間違いなく無いのだが「何かが必要だ」と思っている人には是非とも聴いてみてほしい。

-The Complete Recordings-


このレコードにはRobert Johnsonが吹き込んだ全てのセッション、1936年11月23日、26日、27日、1937年6月19日、20日の計5回、全29曲、41テイクが収められている。このジャケットに使われている写真が発見されたのが1989年のこと。1938年に毒殺されて以来、約50年の歳月が経ちアナログレコードではなくCDとして、自身の写真とともに蘇ったRobert Johnson。27才という若さで亡くなった男の生きざまがその全楽曲とともに詳細なライナーノーツにも記載されているので、そちらも是非とも参照してもらいたい。

とは言えど、もうちょっとわかりやすいのが聴きたいという方にはこちらを。

-Let It Breed/The Rolling Stones-


1969年にリリースされたThe Rolling Stonesの傑作アルバム。Brian Jonesがこのアルバムレコーディング中に脱退するなど、The Rolling Stonesの歴史の中でも激動の頃の1枚。M-2/Love In Vain (むなしき愛)はRobert Johnsonのカヴァー。

-Wheels Of Fire/Cream-


1968年にリリースされたCreamのアルバム。Disk2のM-1/Crossroads Blues (四辻ブルース) はRobert Johnsonのカヴァー。大ヒット曲「White Room」が収録されているアルバム。

-More Real Folk Blues/Muddy Waters-


M-6/Kind Hearted WomanはRobert Johnsonのカヴァー。

-憂歌団/憂歌団-


M-9/カインド・ハーテッド・ウーマンをカヴァーしている。演奏は上のMuddy Watersヴァージョンが下敷きに。憂歌団のみなさん、さすがです。


これもブルース。


初掲載:2008.07.04.
加筆、修正:2011.11.15.

2011.11.02 (Wed)
サディスティック・ミカ・バンド

サディスティック・ミカ・バンド

are

加藤和彦 
ミカ
高中正義
高橋幸宏
小原礼
今井裕
後藤次利
つのだ☆ひろ
桐島かれん
木村カエラ

日本のロックバンドの中でも当時としては超ハイセンスな音楽をやっていたサディスティック・ミカ・バンド。関わったメンバーの名前を見るとそれも納得のいくところ。いまこそいろんな人に聴いてもらいたい音楽だ!

-サディスティック・ミカ・バンド-


1973年にリリースされた記念すべき1stアルバム。CD化にともない初代ドラマーのつのだ☆ひろ氏が叩く「サイクリング・ブギ」が11曲目に追加収録されている。1曲目の「ダンス・ハ・スンダ」に始まり「怪傑シルバー・チャイルド」「宇宙時計」「銀河列車」「アリエヌ共和国」などなど、痛快な演奏が続く名盤だ。特に「アリエヌ共和国」のあのノリはなかなか出せるもんじゃない。次回作の「黒船」が有名すぎて1stアルバムの存在がなかなかクローズアップされないが、本当に素晴らしいロックンロールアルバムなので是非とも聴いてもらいたい。

-黒船-


このアルバムジャケット、見かけたことがある人も多いと思う。1974年にリリースされた2ndアルバム。1stアルバムを聴いたイギリス出身の音楽プロデューサー、Chris Thomasからプロデュースの話しがあり作られたのがこのアルバムだ。前作のロックンロール/ブギ路線から、ファンク/フュージョンよりの曲が多く収められているのは当時の流行もあるのだろう。しかし、本当に演奏が素晴らしい!!!!!小原礼氏と高橋幸宏氏、高中正義氏、今井裕氏のリズムセクションが世界的に通用するのがよくわかる。「塀までひとっ飛び」なんかまるでSly & The Family Stoneみたいでカッコよすぎ!!!「タイムマシンにお願い」が収録されているのもこのアルバム。

-Hot! Menu-


1975年にリリースされた3rdアルバム。前作に引き続きプロデューサーはChris Thomas。ベースが小原礼氏から後藤次利氏に。前作からのファンキー路線をさらに押し進めながら「マダマダ産婆」や「オキナワBoogaloo」などワールドミュージックにいち早く目を向けているところもさすがのセンスだ。「ファンキーMahjang」はCarl Douglasの「Kung fu Fighting」を思い出してしまうのもおもしろいところ。残念ながらこのアルバム発表後に解散してしまう。


この他にもRoxy Musicのオープニングアクトを務めた「Live In London」、桐島かれんさんをVo.に迎え再結成されて作られた「天晴」、木村カエラさんをVo.に迎え再々結成して作られた「NARKISSOS」と他にもアルバムが発表されているのだが、まずはこの3枚を聴いてみてほしい。


加藤和彦さんのご冥福を心よりお祈りいたします。


2011.11.02.

2011.10.28 (Fri)
ハート・オブ・ロックンロール 第18回 「ハート・オブ・ドラム!」

Ringo Starr

本名 Richard Starkey

イラスト

2009年9月9日は、The Beatlesの全ての音源が最新の技術でデジタルリマスターされ、発売された記念すべき日だ!The Beatlesの音源はほとんどがアナログレコード盤で持っているため、そろそろCDで買い直したほうがいいんじゃないか?と真剣に考えていたのがちょうど連載第10回、第11回目のThe Beatlesを取り上げた頃。そんな中このニュースを聞いたので、オレの心はワクワク、ドキドキ、その喜びようと言ったらハンパなかった。今回はそんなThe Beatles、デジタルリマスター盤の発売を勝手にお祝いして、世界で最も有名なドラマー、そしてオレがもっとも好きなドラマー、The BeatlesのRingo Starrを取り上げてみよう!

1940年7月7日、イギリスのリヴァプールに生まれる。現在71才。Ringo Starrという名前はもちろんニックネーム。本名はRichard Starkeyなので幼少期は「Richie」という愛称で皆に呼ばれていたという。では「Ringo Starr」という名前はどういう風に付いたのだろう。The Beatlesに加入する前に所属していたバンド「Rory Storm & The Hurricanes」のリーダー、Roryがステージ上でメンバー紹介のときに指輪好きのRingo Starrのことを「Ring!」とか「Rings!」と呼んでいたのが始まりのようだ。その「Ring」「Rings」が転じて「Ringo」となり、「Ringo Starkey」ではゴロが悪いというところから、「STARKEY」の「KEY」をとって「R」を増やして「STARR」になり「Ringo Starr」と名乗るようになったとのこと。


そんな名前の由来もさることながら、Ringo Starrといえばあのドラムだ!躍動感に満ちあふれていて、「ドラムが歌っている」という表現がピッタリとくるあのドラム!本当に大好きなドラマーだ。じゃあ、あのドラムの感じの秘密は一体なんなのか。一つにはもともと左利きなのに右利きのドラムセットを使っているというのが、Ringo Starrという人のドラミングをユニークで個性的なものにしているのは間違いないだろう。アルバム「SGT. Pepper's Lonely Hearts Club Band」に収録されいるRingo Starrの歌う名曲「With A Little Help From My Friend」という曲の1番と2番の間にあるタムタムとフロアタムを使った2小節のフィルイン。聴いた感じはなんてことないフィルインなんだが、いざ同じように叩こうとすると「ん!?」という手順になっていたりするのがおもしろいところ!オレの場合は利き手が右手なので、無意識に右手を行ったり来たり動かそうとするのだが、ここでの手順は常に左手がタムタムとフロアタムを行ったり来たりするようになっている。これはもともと左手が利き手のRingo Starrならではといったところだろう。なので、右利きの人間ではなかなかああいったフィルインに自然にはならないのだ。昔のライヴの映像や、TV番組で演奏しているところを見ると、「あれ?」と思うことがよくあるので興味のある方はチェックしてみてほしい。

-SGT. Pepper's Lonely Hearts Club Band/The Beatles-


このアルバムにはいまさら何の説明も必要ないだろう。タイトル曲のレコーディング時にエンジニアのGeoff Emerickがバスドラムのフロントヘッドを外し、着ていたジャンパーを中に入れ、当時では考えられなかった「マイクをドラムの中に入れて録音」したというのは有名な話し。メンバーそれぞれの才能が爆発(特にPaul!)しているが、アルバムハイライトの「A Day In The Life」でのRingo Starrのプレイは必聴だ!!!

もう一つはRingo Starr特有のリズム感。リズムのハネ方というか、8ビートの曲もかなりハネていて、口でいうとすると「ツッツッ、ツッツッ、ツッツッ、ツッツッ」というよりも「ツァーツァッ、ツァーツァッ、ツァーツァッ、ツァーツァッ」とこんな感じに聴こえる。その感じが演奏する曲に躍動感を与えているのは間違いのないこと。Ringo StarrのルーツはThe Beatles時代にカヴァーされた曲の数々を聴くとCountry Musicのカヴァーをよく歌っていることに気づく。このCountry Musicこそが、Ringo Starrのドラミングのポイントだと思えてならない。「Help」や「Act Naturally」「I'm A Looser」「What Goes On」に共通する右手のハイハットワークは、真似しようにもなかなかああいう風にはならないのだ。いわゆるスピード感のあるカントリー・シャッフル。しかもそのノリを出している右手が利き手ではないと思うと、、、ただただ脱帽!

-Help!/The Beatles-


タイトル曲のノリはなかなか出せるもんじゃない。しかもそれを利き手ではない手で叩いているのだから、、、。いい感じでCountry Musicが混ざっているこのアルバムも素晴らしい!

-Sentimental Journey-


記念すべきソロ1作目。プロデューサーはGeorge Martin。全編スタンダードナンバーで構成されているところもRingo Starrらしい。しかもドラムは一切叩いていないと言うのだからそれも驚きだ!1970年3月リリース。The Beatlesのラストアルバム「Let It Be」が発売される直前のこと。

-Ringo-


1973年に発表された3作目。The Beatlesのメンバーがそれぞれの曲に参加しているというのもRingo Starrという人だからなせることだろう。「思い出のフォトグラフ」「You’re Sixteen」など名曲多数収録!


Ringo Starrと聞いて、まず思い浮かぶのはそのキャラクターというか、人間性だろう。親しみやすく、温和な人柄はThe Beatles時代の写真を見ても、本を読んでても、ソロになってからの作品を見ても明らかだ。そしてその人柄が「Ringo Starr」という人の作り出す音楽に出ているのも間違いのないこと。自分の音楽もそうありたいと思う今日この頃。


今回で「ハート・オブ・ロックンロール」は終了になります。


毎月1日に更新しているコラム「MUSIC」をお楽しみください。


ありがとうございました。


初掲載:2009.09.25.
加筆、修正:2011.10.28.

2011.10.14 (Fri)
これもブルース 第17回 「ベートーベンをぶっ飛ばしたギターマン!」

Chuck Berry

本名 Charles Edward Anderson Berry

イラスト

「Chuck Berry=Rock'n'Roll」と言い切ってしまってもこの人なら何の問題もないだろう。「Chuck Berryって誰?」ってそんな人はいないと思うが、万が一そんな人がいたとしても「Johnny B. Goode」という曲なら知らない人はいないだろう。最近はなかなか演奏する機会が減ってしまったが、アンコールセッションでの定番曲といえばこの曲だった。



The Beatlesがカヴァーしていた「Roll Over Beethoven」「Rock’n’Roll Music」や、The Rolling Stonesがカヴァーしていた「Carol」「Around And Around」、The Kinksのファーストアルバムに収録されていた「Beautiful Delilah」「Too Much Monkey Business」などなど、上げればきりがないほどいろんな人に歌われ演奏されているChuck Berryの曲達。オレもそんなバンドが取り上げたカヴァーを先に知ったのだが、オリジナルの演奏もChess Recordsの凄腕のブルースマンたちがバックを務めているのもあって、いまだに色あせていない。

-The Great 28-


オレが持っているChuck Berryのレコードはこのベスト盤のみ。
ピアノのJohnny Jonson、ドラムのFred Below、ベースはおそらくWillie Dixsonだろう。なかなかこんな演奏はできたもんじゃない。 ベスト盤なので当たり前なのだが、Chuck Berryの代表曲が目白押し。

-Hail! Hail! Rock'n'Roll-


1987年に公開されたChuck Berryの還暦を祝った映画「Hail! Hail! Rock'n'Roll」のDVDが2007年ようやくリリースされた。このDVD化を心待ちにしていたRock'n'Rollファンはかなり多かったんじゃないかな。もちろんオレもその中の一人。しかも通常盤とは別のコレクターズエディションなる仕様はなんとDVD4枚組!これには参った!この映画はThe Rolling StonesのKeith Richardsが音楽監督を務めているのだが、観終わった後、Keith Richardsのことが好きになっているのはRock'n'Rollのマジックなんだろうか。素晴らしい音楽映画だ!

現在もギター片手に世界を飛び回っているChuck Berryは84歳。

見習いたいもんだ。

これもブルース。

初掲載:2008.06.06.
加筆、修正:2011.10.14.