MUSIC

2011.07.22 (Fri)
ハート・オブ・ロックンロール 第15回 「ロック界の仙人様!」

LEON RUSSELL


「Leon Russell」と聞いて、いまいちピンと来ない人も、The Carpentersでおなじみの「A Song For You」や「Super Star」といった曲を作った人といえばおわかりだろうか?わからなければ、以前、車のCMで「Bluebird」という曲が使われていたのだが、まさにその曲を歌って演奏していた人だ。ここ近年のルックスというと、白髪の長髪に白髪のヒゲ姿、白い山高帽に白いスーツ、それにサングラスといった出で立ちで、見た目のインパクトは絶大だ。オレにはどう見ても仙人様にしか見えない、、、。今回はそんなロック界の仙人様こと(誰も言ってない!)Leon Russellを紹介しよう。

1942年4月生まれということなんで、今年で67才(連載当時)。その存在を初めて知ったのは、George Harrisonの呼びかけのもと、1971年に行われた「The Concert For Bangladesh」のビデオ映像だった。John Lennonの「Sweet Tront」やPaul McCartnyの「カンボジア難民救済コンサート」、The Rolling Stonesの「Rock'n'Roll Circus」など、オレが20代の頃、観たくてもなかなか観れない映像が多かった中、George HarrisonとRingo Starr、Bob Dylanなど、スーパースターの競演が観れたこの映像はとてもありがたかった。そんな中、長髪にヒゲ面と書くとほとんどの出演者がそうだったので、やたらと長い長髪とちょっと汚い目のヒゲ面、オレンジ色(?)のタンクトップに、一度聴いたら忘れられない特徴のある声でピアノを弾きながら「Jumpin' Jack Flash」を歌い、おまけにBob Dylanの歌のときにはとなりでベースを弾いているこの暑苦しい見た目の人は誰???と思っていたら、その人がLeon Russellだった。

-Leon Russell-

1970年にリリースされた1stアルバムには実にいろんなミュージシャンが参加している。ざっと挙げると、George Harrison、 Ringo Starr、Charlie Watts、Bill Wyman、Eric Claptonなどなど、、、。人脈の広さというか、素晴らしいミュージシャン仲間に囲まれているのがよくわかる。そんなLeon Russellの1stアルバムは今聴いてもエネルギーに満ちあふれている名盤だ!M6の「Delta Lady」のドラムはどこからどう聴いてもRingo Starrに違いない!

-And The Shelter People-

1971年リリースの2ndアルバム。前作同様、さまざまなミュージシャンが参加しているのだが、注目すべきはMuscle Shoalsのリズムセクションが参加しているところだろうか。Aretha FranklinやBobby Womack、Tony Joe Whiteなどのバックでも大活躍している面々だ。M9の「She Smiles Like River」のリズムには脱帽だ!他にもJim GordonのドラムがにぎやかなM6「Alcatraz」や、自身のレーベル「Shelter Record」所属のミュージシャンらの演奏でのM1「Stranger In A Strange Land」、Bob Dylanのカヴァー「It's A Hard Rain Gonna Fall」、「It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry」など、1stアルバム同様こちらも名盤!

-Will O' The Wisp-

1975年にリリースされた7thアルバム。なんといっても全曲ではないがMG'sの面々が参加しているというのもあり、このアルバムはハズせない。M5、M6、M7、M11と参加しているのだが、Al Jacksonの演奏は出しゃばりすぎず、引っ込みすぎず、ここでも素晴らしい演奏だ!M11の「Lady Blue」は是非とも聴いてほしい。冒頭に書いた「Bluebird」はMG'sの演奏ではないのだがこのアルバムに収録されている。

-Make Love To The Music / Leon & Marry Russell-

Shelter Recordsに所属していたMarry McCrearyという女性シンガーと結婚したLeon Russell。このアルバムは二人の名義になってからの2作目。あまり知られていないアルバムなんだが、M1の「Easy Love」はオレの大好きな曲だ!


元々L.A.のスタジオミュージシャンというのもあり、Phil Spectorのセッションにも顔を出していたLeon Russell。スタジオミュージシャン、プロデューサー、作曲家、シンガー、レーベル経営者とさまざまな面を持っているのには本当に驚きだ。「Leon Russell」の名前をいろんなところで見るにつれ、「ロック界の仙人様」というのも、あながちはずれではないような気がしてきた。

初掲載:2009.06.26.
加筆、修正:2011.07.22.
2011.07.08 (Fri)
これもブルース 第14.5回「大男の遠吠えが聞こえる!part2」
Howlin' Wolf

前回の続き


Chess Recordsの社長、レナード・チェスに熱心に誘われ、Howlin' Wolfは単身Chicagoに向かうことに。Chicagoでの暮らしが落ち着くまでの間、Howlin' Wolfに「ゆっくりして行きな」と自宅に泊めていたのは誰あろう、Muddy Watersだったというのだから驚きだ!当時のMuddy WatersはChess Recordsからヒットを連発しており、シカゴブルース界で知らぬものはいなかった。この先Chess Recordsの看板ブルースマンとして二人は強烈なライバルになっていく。

そんな1954年3月、Chicagoでの初レコーディングを行う。当時はシングルでしか発売されなかったので、アルバムに収録されている楽曲は録音年とは前後するのだが、Chess Recordsでの記念すべき1stアルバムがこれだ!

-Moanin' In The Moonlight-


なんとリリースされたのは1959年とのこと。初レコーディングから実に5年の歳月が過ぎてからのアルバムリリースということになる。もちろんシングルではリリースされている。West Memphis時代のテイク「Moanin' At Midnight」や「How Many More Years」、超名曲「Smokestack Lightnin'」、「Evil」、「Forty Four」など名曲名演がぎっしり詰まっている名盤だ!

-Howlin' Wolf (Rockin' Chair)-


1962年リリースの2ndアルバム。当時はアルバム単位でのリリースよりも、シングルでの需要が多かったため、アルバムとはいっても「まとめて聴ける」といった意味合いのほうが強いようだ。よって曲によって録音年数もまばらなんだが、このアルバムもThe Rolling Stonesが取り上げた「Little Red Rooster」やCreamが取り上げた「Spoonful」、The Doorsで有名な「Back Door Man」、他にも「Shake For Me」、「You'll Be Mine(最高!)」、「Wang Dang Doodle(Etta Jamesも歌っている)」などなど、これまた超名盤だ!

-Real Folk Blues-


1曲目の「Killing Floor」から「Sittin’ On The Top Of The World」、「Tail Dragger」、「Three Hundred Pounds Of Joy」などなど、Howlin' Wolfの名前を一躍有名にした曲がずらりと並ぶ 1966年リリースの3rdアルバム。

聴けば聴くほど「狼の遠吠え」に引きつけられて行くHowlin' Wolfの音楽。

 まだまだリリースされているので興味を持ったかたは是非とも聴いてほしい。

初掲載:2008.04.26.
加筆、修正:2011.07.08.
2011.07.01 (Fri)
Tony Joe White
Tony Joe White

アメリカはルイジアナ出身のシンガーソングライター。1994年、当時のウルフルズの音楽プロデューサーだった伊藤銀次さんに教えてもらったTony Joe White。たしかその頃、初CD化されたようなそんなタイミングだったんじゃないかな。

現在も音楽活動を続けているTony Joe Whiteのアルバムをさかのぼってみよう。

-Black and White-


1969年リリースの1stアルバム。なんといっても注目すべき点は、後々Elvis Presleyが歌うことになる「Polk Salad Annie」が収録されていることだろう。本家本元の「Polk Salad Annie」には本当にシビレてしまった。Nashvilleのスタジオミュージシャンがバックトラックを演奏しているのだが、ドラマーはJerry Carrigan。「サンコン絶対好きだよ!」と紹介してくれた銀次さんの言葉に間違いはなかった。A面がオリジナル、B面がカヴァーという構成になっているが、Johnnie Taylorの「Who's Making Love」や「Little Green Apple」、「Look Of Love」などヒット曲のカヴァーも素晴らしい名盤だ!

-Continued-


上のアルバムに続いてリリースされた2ndアルバム。基本的には1stアルバムの感じを踏襲している。いわゆる「Swamp Rock」なるものだが、オレも「Swamp Rock」というものが明確に「こういうもの!」とわかっている訳ではない。が、Tony Joe Whiteのアルバムを聴くと、「Swamp Rock」がなんなのか?ちょっとわかるような気がする。このアルバムも「Rainy Night In Georgia」を筆頭に「Elements And Things」や「For Le Ann」、「Woman With Soul」など名曲がたくさん入っている。

-Tony Joe-


1970年にリリースされた3rdアルバム。CD化されたときの音源を紛失してしまい、すぐに廃盤にもなって聴くに聴けなかったとき、下北沢の中古レコード店で¥5500というけっこうな値段で売られていたこのレコード。1週間悩んだあげく、もう一度レコード店に行き買ってしまった。そんなこともあってTony Joe Whiteのレコードの中では一番愛着があるのがこれだ。Jerry Carriganの生々しいドラムで始まる1曲目の「Stud-Spider」から、もう最高!!!このアルバムもB面でカヴァーを取り上げているのだが、Otis Reddingの「Hard To Handle」だったり、Junior Walkerの「What Does It Take」であったり、John Lee Hookerの「Boom Boom」であったり、とそれはそれは素晴らしい歌と演奏なんで、是非とも聴いてみてほしい。心の超名盤!!!

-The Train I'm On-


1972年リリースの5thアルバム。レコード会社も変わったのもあり、Producerの欄にはJerry WexlerとTom Dowdの名前がクレジットされている。バックミュージシャンはNashvilleのスタジオミュージシャンで構成されているが今回は、DrumsにはRoger Hawkins、BassがDavid Hood、鍵盤にBarry BeckettとRonnie Baronという超強力な布陣だ。1曲目の「I've Got A Thing About You Baby」の感じは大好き!

まだまだアルバムはたくさん出ているので、興味のある方は聴いてみてほしい。

2011.07.01.
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