2010.09.10 (Fri)
これもブルース 第5回 「ウエスト・サイド・ブギー」
Magic Sam
マジック・サム

ある日の会話。
サンコンJr.「松本君、マジック・サムのあれっていいのん?」
トータス松本「ん!?あれって、どれ?」
サ「あの、ほら、『ブラック・マジック』やなくて、、、なんやったっかな、、、タイトルがわからんなぁ。」
ト「、、、。」
サ「ほら、ジャケットがサイケデリックな感じのあるじゃないですか。」
ト「、、、あぁ、『ウエスト・サイド・ソウル』かー!」
サ「そう!それ、それ!」
ト「あれ、すーんごいええよ!マジック・サムの中で一番好きやわ。」
ジョン・B・チョッパー「あれ、ええよ。全体がすごい明るくて、なんかカラっとしてる。」
サ「そうなんや。」
ジ「サンコン持ってないん?」
サ「うん、持ってないんよ。」
ジ「じゃあ、今度、貸したげるわ。」
という会話はつい最近の話(連載当時)。
-West Side Soul-

Magic Samのアルバム「West Side Soul」は本当にすばらしい。アルバム全体からは、ブルースというよりもソウル・ミュージックやリズム&ブルースの匂いを強く感じる。この人のギターもやはり爆発してるのだが、第1回のElmore Jamesのような爆発感とはちょと違っていて、もっと都会的というか、かなり洗練されているように聴こえる。「Feel So Good」のリズムギターの感じなんか、「グッツグッツグッツグッツ」とマグマの噴火直前のような、そんなことを想像してしまうのはオレだけだろうか。
ギターの一音一音がギラギラしてて、あまり訛っていないのが都会的に聴こえるのだろう。だからといって、あっさりしている訳でもなく、切れ味がするどいと言うとわかりやすいだろうか。そう、「切れ味がするどい」ということは、やはりリズムがすごく際立っているということだと思う。刀で「スパッ!」と斬られてる、そんな風に感じてしまう。Magic Samの歌声はいい意味でドスが利いていなく、カラッと乾いた声をしていて、ブルースによくある湿り気はあんまり感じない。そこにMagic Samという人の「憂い」がプラスされてこの人のブルースになるのだろう。興味のあるかたは是非とも聴いてみて欲しい。
高校生の頃、ソウル・ミュージックやリズム&ブルースに興味を持ち始めたのと同じように、「ブルース」という音楽にも普通に興味を持った。当時、The Rolling Stonesのライナーノーツで「Muddy Waters」という名前を覚えたように、「Magic Sam」という名前も何かの本で覚えていた。そんなある日、大阪のミナミ(心斎橋周辺)にあった「吉村レコード」という、ブルース、リズム&ブルース、ソウル・ミュージック専門のレコード屋さんを見つけて、おそるおそる入ってみたが、スタンダードなレコードからマニアックなものまで、ちょっと圧倒されるくらいの品揃えで、高校生の自分には相応しくないのがわかり、思わず「しまった!」と声を出しそうになったのだが、いま思うと、とても貴重なお店だった。
このお店はおもしろいところがあって、有名なアルバムや店長さんおすすめのアルバムには、プライスカードに「あるうちに買っときや!」とか、「もってな恥!」 というスタンプが押されていて、Magic Samのアルバム「West Side Soul」には「もってな恥!」のスタンプが押されていたような気がする。しかし、なぜかオレが手に取ったのは、なんのスタンプも押されていない、Magic Samがコブラ・レーベル時代にリリースされた「All Your Love」というマニアックなアルバムだった。
-All Your Love-

これはかなり通好みのアルバムだ。「West Side Soul」や「Black Magic」を聴いて、さらに、Magic Samを知りたい!という人が買うアルバムなんだと思う。が、なぜか、オレは最初に買ってしまった、、、。いま思うと、店長さんの言うことを素直に聞いて、「West Side Soul」をつかんでいたら、もっと早く、自分なりに「ブルース」に親しんでいたかもしれない。
何事も最初に感じる印象はとても大事ということか。
これもブルース。
初掲載:2007.12.14.
加筆、修正:2010.09.10.
マジック・サム

ある日の会話。
サンコンJr.「松本君、マジック・サムのあれっていいのん?」
トータス松本「ん!?あれって、どれ?」
サ「あの、ほら、『ブラック・マジック』やなくて、、、なんやったっかな、、、タイトルがわからんなぁ。」
ト「、、、。」
サ「ほら、ジャケットがサイケデリックな感じのあるじゃないですか。」
ト「、、、あぁ、『ウエスト・サイド・ソウル』かー!」
サ「そう!それ、それ!」
ト「あれ、すーんごいええよ!マジック・サムの中で一番好きやわ。」
ジョン・B・チョッパー「あれ、ええよ。全体がすごい明るくて、なんかカラっとしてる。」
サ「そうなんや。」
ジ「サンコン持ってないん?」
サ「うん、持ってないんよ。」
ジ「じゃあ、今度、貸したげるわ。」
という会話はつい最近の話(連載当時)。
-West Side Soul-

Magic Samのアルバム「West Side Soul」は本当にすばらしい。アルバム全体からは、ブルースというよりもソウル・ミュージックやリズム&ブルースの匂いを強く感じる。この人のギターもやはり爆発してるのだが、第1回のElmore Jamesのような爆発感とはちょと違っていて、もっと都会的というか、かなり洗練されているように聴こえる。「Feel So Good」のリズムギターの感じなんか、「グッツグッツグッツグッツ」とマグマの噴火直前のような、そんなことを想像してしまうのはオレだけだろうか。
ギターの一音一音がギラギラしてて、あまり訛っていないのが都会的に聴こえるのだろう。だからといって、あっさりしている訳でもなく、切れ味がするどいと言うとわかりやすいだろうか。そう、「切れ味がするどい」ということは、やはりリズムがすごく際立っているということだと思う。刀で「スパッ!」と斬られてる、そんな風に感じてしまう。Magic Samの歌声はいい意味でドスが利いていなく、カラッと乾いた声をしていて、ブルースによくある湿り気はあんまり感じない。そこにMagic Samという人の「憂い」がプラスされてこの人のブルースになるのだろう。興味のあるかたは是非とも聴いてみて欲しい。
高校生の頃、ソウル・ミュージックやリズム&ブルースに興味を持ち始めたのと同じように、「ブルース」という音楽にも普通に興味を持った。当時、The Rolling Stonesのライナーノーツで「Muddy Waters」という名前を覚えたように、「Magic Sam」という名前も何かの本で覚えていた。そんなある日、大阪のミナミ(心斎橋周辺)にあった「吉村レコード」という、ブルース、リズム&ブルース、ソウル・ミュージック専門のレコード屋さんを見つけて、おそるおそる入ってみたが、スタンダードなレコードからマニアックなものまで、ちょっと圧倒されるくらいの品揃えで、高校生の自分には相応しくないのがわかり、思わず「しまった!」と声を出しそうになったのだが、いま思うと、とても貴重なお店だった。
このお店はおもしろいところがあって、有名なアルバムや店長さんおすすめのアルバムには、プライスカードに「あるうちに買っときや!」とか、「もってな恥!」 というスタンプが押されていて、Magic Samのアルバム「West Side Soul」には「もってな恥!」のスタンプが押されていたような気がする。しかし、なぜかオレが手に取ったのは、なんのスタンプも押されていない、Magic Samがコブラ・レーベル時代にリリースされた「All Your Love」というマニアックなアルバムだった。
-All Your Love-

これはかなり通好みのアルバムだ。「West Side Soul」や「Black Magic」を聴いて、さらに、Magic Samを知りたい!という人が買うアルバムなんだと思う。が、なぜか、オレは最初に買ってしまった、、、。いま思うと、店長さんの言うことを素直に聞いて、「West Side Soul」をつかんでいたら、もっと早く、自分なりに「ブルース」に親しんでいたかもしれない。
何事も最初に感じる印象はとても大事ということか。
これもブルース。
初掲載:2007.12.14.
加筆、修正:2010.09.10.
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