オーティス・レディング
Otis Redding
オーティス・レディング
高校生の当時、あまり知らなかったブラック・ミュージックやリズム&ブルースの世界に興味を向けてくれたのは、やはりThe Rolling Stonesの存在が大きかった。中でもよく聴いたThe Rolling Stonesのアルバム「Out Of Our Heads (U.S.盤)」には、Otis Reddingの「That's How Strong My Love Is」や、Sam Cookeの「Good Times」、Don Covayの「Mercy, Mercy」、Solomon Burkeの「Cry To Me」、Marvin Gayeの「Hitch Hike」と、Stax、Atlantic、RCAといった南部出身のリズム&ブルース・シンガーの名曲と、Motown所属のシンガーの名曲のカヴァーが収録されている。それに加えてOtis Reddingのカヴァーヴァージョンでも大ヒットした、The Rolling Stonesの大ヒット曲「( I Can't Get No )Satisfaction」も収録されていて、オレにとってはThe Rolling Stonesの中でもとても重要なアルバムだ。70年代のThe Rolling Stonesとはまた違った良さが凝縮されている。
-Out Of Our Heads/The Rolling Stones-
ブルースのみならず、リズム&ブルースの名作カヴァーも数多く残しているThe Rolling Stones。他にもOtis Reddingのナンバーは「I've Been Loving You Too Long」と「Pain In My Heart」をカヴァーしている。
さて、そんなOtis Reddingの最大の魅力とはなんだろう。やはりオレにとっては感情むき出しのそのヴォーカルスタイルだ。Sam CookeやJames Brownとはまた違った感情表現で、感情というよりも「激情」といったほうがピッタリとくるかもしれない。人によっては、そこが「暑苦しすぎる」と感じて、遠ざけてしまう人もいるかもしれないが、オレはその「暑苦しさ」がたまらなく大好きだ!
そんなOtis Reddingの「激情」を知りたいという方には、スタジオ録音盤よりもさらにエネルギッシュなライヴ盤をおすすめしたい。中でも1967年に行われた「モンタレー・ポップ・フェスティヴァル」でのライヴパフォーマンスは圧巻だ!Sam Cookeの「Shake」で始まるこのライヴは、全5曲、分数にすると約20分ととても短いのだが、バックを務めるBooker T. & The M.G.'s with The Mar-Keysの演奏も含めて、まさに「激情」そのもののライヴだ!
-Monterey International Pop Festival/Otis Redding/The Jimi Hendrix Experience-
1967年、6月の16日、17日、18日の3日間に渡ってアメリカはカリフォルニア州のモンタレーで行われた伝説的なミュージック・フェスティヴァル。Otis Reddingは17日の夜の部に出演。そして最終日の18日の夜の部では、当時、楽器を破壊するパフォーマンスで話題になっていた、The WhoとJimi Hendrixが激突。両者とも「我々が先に出演する!」と譲らず、決めかねた主催者がコイントスで順番を決めたといわれている。結果、The Whoが先に出演し、いつも通り楽器を破壊し聴衆に大ウケ。その後出演したJimi Hendrixが楽器破壊+ギターを燃やしたといわれている、伝説のミュージック・フェスティヴァル。
ここでのOtis Redding + Booker T. & The M.G.'s with The Mar-Keysの歌と演奏には「激情」以上のものを感じてしまう。特に「I've Been Loving You Too Long」と「Try A Little Tenderness」の2曲は、何度聴いても、胸が熱くなってしまう。
残念ながら現在このアルバムはCD化されていないようだが、1986年に映画として公開されたものが、「Jimi Plays Monterey/Shake! Otis At Monterey!」としてBlu-ray Discで発売されているようだ。国内盤の発売を心より願う。
-Otis Redding Live In Lodon and Paris-
その昔、「Live In Europe (邦題:ヨーロッパのオーティス・レディング)」としてリリースされていたアルバムが、9曲追加されて2008年にリリースされたもの。こちらももちろん、熱く、激しいOtis Reddingが感じられる!!!上のアルバムと同じく、バックを務めるのは、Booker T. & The M.G.'s with The Mar-Keysだ!
-The Immortal-
Otis Reddingの死後リリースされたこのアルバム。ウルフルズに加入した直後、トータス松本氏に「これ聴いたことあるか?」と貸してもらったのもあり、オレにとっては思い出深いアルバムだ。「I've Got Dreams To Remember」、「Hard To Handle」、「The Happy Song」など、名曲が多数収録されている超名盤だ!この他にも「Otis Blue」や「Dictionary Of Soul」など名盤がたくさんリリースされているので、興味のある方は是非聴いてみて欲しい。
2010.08.02.
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