本名 エルモア・ブルックス

先日、「サンコンさん、ブルースってナンすか?」と聞かれた。
が、即答などできず、
「うーん、ジャンルとかやなくて、なんだー、そのー、なんやろ?」
と、シドロモドロな回答で、正直、俺もよくわかっていない。
「ブルース」ってなんなんやろ?
こんな大きな問いかけに、果たして答えはあるのか?
正体が見えてくるものなのか?
こんな大きな問いかけに、果たして答えはあるのか?
正体が見えてくるものなのか?
ブルースに通じている人達のインタビューを読んだり、昔のブルースマンの映像を観たりしていると、こんな言葉によく出会う。
「ブルースは爆発だ!」
爆発か。なんかカッコイイ。そういやそんな名前のバンドもあるしね。
でも、何が「爆発」なんやろ?
うーん、、、それはこの先、棺桶に入るまで探し続ける永遠のテーマなのかもしれない。が、ここで、その「爆発」のヒントをくれるブルースマンを 紹介しよう。
ーBlues After Hoursー
ウルフルズに入って、最初に教えてもらったブルースマンがこの人。
トータス松本氏にこの人のレコードを貸してもらい、家に帰って聴いた時の衝撃はいまでも覚えている。
「なんじゃ、これは?!これもブルースなんか?!」と思わずにいられなかった。
この人のギターは本当にすごい音をしてる。スライド奏法(筒状の鉄やビンを指にはめて、ギターの弦の上を滑らせる奏法。チュイーンとかテイーンという音が
する)でギターを弾いてるのだが、その音が、
「ギュワギャギャ、ギュワギャギャ、ギュワギャギャ、ギュワギャギャギョオン」
とか
「ジャイジャジャ、ジャイジャジャ、ジャイジャジャ、ジャイジャジャジャァジョオン」
とまあ、荒々しいというか、けたたましいというか。なんせ、豪快で痛快!なおかつ炸裂している!
いまにも、ギターから炎が噴き出てきそうな勢いがそこにある!
そんなElmore Jamesのギタースタイルを、トータス松本氏も受け継いでいる。
ここで
「Elmore Jamesのブルースは爆発だ!」
と言われると、
「ブルース=爆発」
の意味が、さっきよりもちょっとだけ、わかるような気がしてくる。
ーShake Your Money Maker : The Best Of Fire Sessionー

いろんなレコード会社に吹き込んでいるのは、当時のブルースマンにはよくあること。このアルバムは1959~61年まで、FIRE
Recordsに吹き込まれたものがまとめられているベスト盤。「Shake Your Moneymaker」、「The Sky Is
Crying」、「Standing At The Crossroads」、「Dust My
Broom」など、名曲が多数収録されている好編集盤だ!
そんなブルースの爆発とはほど遠く、先日、僕の腰も爆発した。
ブルースマンの表現だと、これはいわゆる絶倫男になるんやろうけど、
そうではなく、ギックリ腰というなんとも情けないやつ。
それが引っ越しの準備中だったからもう最悪。
まだダンボールに入っていない荷物が半分以上残ってる。
この状況、どうすんねん?
詰め込んでも詰め込んでも減らない荷物を眺めてる
詰め込んでも詰め込んでも減らない荷物を眺めてる
いるものだけ持って行け、これからの旅に
とまぁ、詩のようなものを書いてはみたものの、なんの足しにもなりゃしない。
結局、そんな状況を笑うしかないのだ。
これもブルース。ーWhose Muddy Shoesー

連載当時、トータス松本氏に借りたレコードは上記の「Blues After
Hours」だと思い込んでいたのだが、よくよく思い出してみると、このレコードだったと思う。このアルバムは1953年と60年の2回に渡り、
Chess Recordsに吹き込まれたものを、John
Brimというブルースマンの曲とともに1枚のレコードにされて1969年に発売されたもの。「Madison Blues」や「The Sun Is
Shining」(CDではボーナストラックが収録されている)、「Dust My Broom」(Fireのとは違うテイク)、「Talk To Me
Baby」など、こちらも名曲が多数収録されている。
初掲載 : 2007.10.19.
加筆・修正 : 2010.05.14.
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