本名 アレサ・ルイーズ・フランクリン
Aretha Franklinの曲を意識して聴くようになったのは、東京に出てきて数年経った頃、24才のときだった。それまでは、映画「ブルース・ブラザース」に出演していたということと、「Respect」や「Think」などの有名曲くらいしか知らなかった。そんなオレに「Rock Steady」 や「Day Dreaming」、そしてMuscle Shoalsのミュージシャンを教えてくれたのは、当時のウルフルズのプロデューサー、伊藤銀次氏だった(銀次さんにはAretha Franklinだけでなく、いろんな音楽やミュージシャンを教えてもらったことを本当に感謝しています!)。
Aretha Franklinは1942年、ミシシッピ生まれ。まもなくデトロイトに移り住むことに。父親はデトロイトの教会で有名な牧師だったこともあり、小さい頃から教会で歌っていたようだ。1960年にレコードデビューするが、そのゴスペルフィーリング溢れる歌声は、1967年、名門Atlantic Recordに移籍してから、さらに花開くことになる。
ここでは個人的に気に入っているアルバムを紹介しよう。
ーI Never Loved A Man The Way I Love Youー

Atlantic Record移籍後、初のアルバム。当時のプロデューサー、Jerry Wexlerの提案でAlabama州Muscle Shoalsのミュージシャンをバックバンドに起用。これが見事に的中し、以降ヒット曲を次々と生み出して行く。このアルバム以降、その関係は4作ほど続くことに。Aretha Franklinが尊敬してやまないソウルシンガー、Sam Cookeのカヴァーも2曲収録されている。このアルバムの音の質感は大好きだ!収録されている曲も素晴らしい曲ばかり!名盤!
ーLive At Fillmore Westー

どこかで一度は、このアルバムジャケットを見かけたことがある人も多いのではと思う。それくらい有名なこのアルバムは、1971年の3月にサンフランシスコ、フィルモア・ウェストで3日間に渡って行われたライヴコンサートの模様が収められている。すでに大ヒット曲を連発していたAretha Franklinだったが、プロデューサーのJerry Wexlerは白人層(ロック好きの若者達!)にさらにAretha Franklinの歌を聴いてもらいたいという思いから、このコンサートを行ったという。サンフランシスコのこの会場で、黒人のソウルシンガーとファンキーなインストゥルメンタルバンドがコンサートを行うということは、当時では、まず、考えられなかったことだと、ピーター・バラカン氏が下のCDのライナーノーツで語っている。

このCDは当日のライヴコンサートのバックバンドを務めたバンド、「King Curtis & The Kingpins」が、Aretha Franklinが出演する前に演奏していたインストゥルメンタルをまとめたCDだ。こう書くと「前座」のように聞こえてしまうのだが、そこは、 恐ろしい演奏が繰り広げられている!特にDrumsのBernard Purdieの演奏は、もう、謝らずにいられない、、、すいません。
Ray Charlesまで飛び入りしたこの「Live At Fillmore West」 。どちらも歴史的名盤なので是非とも聴いてみて欲しい。
ーYoung, Gifted And Blackー

何度もいろんなところで言っているが、このレコードは本当に大好きなレコードだ!特に頭の3曲は、もう、やられっぱなし。上記のライヴ盤から参加している、Cornell Dupree(Guitar)とBernard Purdie(Drums)に加え、Chuck Rainey(Bass)、Donny Hathaway(Organ,Electric Piano)と伝説のミュージシャンの名演が聴けるこのアルバム。そしてもう一人、伝説のドラマー、Al Jackson Jr.(Drums)もアルバム中、2曲でドラムを叩いているのだが、その1曲がアルバムトップを飾る「Oh Me, Oh My (I'm A Fool For You Baby)」だ。Aretha Franklinの感情を見事にサポートしているその演奏を是非とも聴いてみて欲しい(印象的なベースを弾いているのは「Eric Gale」とクレジットされているけど、あのEric Galeなんでしょうか?)。冒頭にも書いた「Day Dreaming」と「Rock Steady」もこのアルバムに収録されている!超名盤!!!
Aretha Franklinには、今回紹介できなかったアルバム「Lady Soul」や「Amazing Grace」、Curtis Mayfieldがプロデュースした「Sparkle」など、まだまだ名盤、名曲が存在しているので興味のある方は是非とも他のアルバムも聴いてみて欲しい。
2010.05.01.
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