MUSIC

2011.04.22 (Fri)
ハート・オブ・ロックンロール 第12回 「ミュージック・フロム・ザ・バンド!」

The Band are

Levon Helm : Drums, Vo.
Rick Danko : Bass,Vo.
Robbie Robertoson : Gtr. Vo.
Garth Hudson : Key. Sax.
Richard Manuel : Key, Vo.



初めてそのバンド名を聞いたときは、自分の耳を疑ってしまった。「ええっ!!!そんなバンド名のバンドってあんのか?」と。今回はそんな超シンプルな名前のバンド「The Band」にスポットライト!!!

高校を卒業した頃、それまでイギリスのロックバンドに夢中だったオレに「アメリカン・ロック」の洗礼がやってきた!Bob DylanやNeil Young、Janis JoplinにThe Byrds、C.S.N.&Y.にC.C.R.などなど、、、。貸しレコード屋さんで借りたり、友達に録音してもらったりと、急速にアメリカン・ロックとの距離が近くなった。The Bandを聴いたのもその頃。映画「Easy Rider」で使われていた名曲「The Weight」が印象的で、その曲が収録されているファーストアルバム「Music From The Big Pink」を友達に録音してもらったんだが、「The Weight」以外の曲にはなかなか入って行けなかったのをよく覚えている。やはり、ちょっと背伸びして聴いている感じと言ったらいいのか、ぜんぜんピンとはきていなかった。

-Music From The Big Pink-

The Bandのファーストアルバム。どう聴いてもデビューしたてのバンドの演奏には聴こえない。演奏も歌もかなりの腕前だ!それもそのはずで1950年代の終わり頃、The BandはRonnie Hawkinsというシンガーのバックバンド「The Hawks」として活動を始め、1965年にBob Dylanのツアーバンドに抜擢される。その後バンド名を「The Band」に改め、1968年にレコードデビューすることに。この間、約10年の時間が経っているのだから、ファーストアルバムでいきなりの演奏力も納得というもの。1曲目の「Tears Of Rage」のイントロからかなりの渋さがわかると思う。アルバム全体に漂うムードは土臭く、見たこともないのに開拓時代の頃のアメリカの風景が見えるような気になってしまうから不思議だ!!!超大名盤!!!

-The Band-

先のアルバムに続き1969年にリリースされた2作目。ファーストアルバムと並び人気の高いアルバム。オレも一番好きなアルバムだ!いろんな人が取り上げた名曲「The Night They Drove Old Dixie Down」や「Up On Cripple Creek」、Richard Manuelの歌声が沁みる「Whispering Pines」や、アルバムラストの「King Harvest」まで、名曲、名演の数々。是非とも聴いてみてほしい。

-The Last Walts-

Martin Scorsese監督による、1976年に行われたThe Bandの解散コンサートを撮った音楽映画だ。この映画は初めて見たときよりも、2回目、3回目と回を重ねるごとに好きになっていく不思議な魅力がある。Niel YoungやBob Dylan、Van Morrison、Muddy Watersなど、スーパーミュージシャンの動く姿を初めて見たのもこの映画だった。そう思うとこの映画の存在には感謝してもしきれないくらいだ!現在、DVD化されリリースされているので、まだ見ていないという方は是非見て欲しい。


The Band   誰もが名乗れそうだけど、誰も名乗れないバンド名だと思う今日この頃。

初掲載:2009.05.15.
加筆、修正:2011.04.22.