MUSIC

2011.04.08 (Fri)
これもブルース 第12回 バケモンと悪魔とブルース!
Little Walter


今回は前回の木村さんとの対談にも「悪魔やー!」と出てきたLittle Walterを。

初めて聴いたのはウルフルズに入ってしばらくのこと。どういう経緯か忘れてしまったが、トータス松本氏に「Little Walter聴いてみたら?」と勧められ、CDを買ってはみたものの、どうも、入っていけなかったというのが正直なところ。当時のオレは、まだまだ「BLUES」という音楽に興味がわいていなかった。しかしながら、この連載がきっかけで改めて「BLUES」という音楽に接することができたのは本当に良かったと思っている。そしてLittle Walterの音楽にも。

Little Walterはブルースハープ(ハーモニカ)プレイヤーだ。この人のすごいところは、それまで素朴な楽器だったブルースハープをアンプで増幅させ、太く力強い楽器として確立させたことだろう。Muddy Watersがアコースティックギターからエレキギターに持ち替えたように、大都市シカゴでの「BLUES」の進化の上で、必然的なものだったのかも知れない。

-Blues With A Feeling-

1952〜59年までの録音からの好編集盤だ。代表曲「Juke」や「Off The Wall」、「My Babe」、Bo Diddleyも参加した「Roller Coaster」などなど、Little Walterの入門編としては申し分ないだろう。アルバムタイトル曲はPaul Butterfield Blues Bandも取り上げている。

-Hate To See You Go-


なんともえらいジャケットだ。上記のアルバムとダブっている曲もあるのだが、このジャケットのインパクトで買わずにいられなかった。タイトル曲の「Hate To See You Go」やPaul Butterfield Blues Bandも取り上げた「Mellow Down Easy」、「Oh Baby」など聴きどころが多い。上記のアルバムにも収録されている「Oh Baby」の違いを聴き比べてみるのもおもしろい。


38歳という太く短い生涯だったLittle Walter。2009年に公開された映画「Cadillac Records」は、ブルースの名門レーベル「Chess Records」にまつわる話なのだが、オーナーのLeonard Chess、Muddy Watersとともに描かれているLittle Walterの凄まじい生き様。ブルースに興味のある人には是非とも見てほしい映画だ。

これもブルース。

初掲載:2008.03.28.
加筆、修正:2011.04.08.