Van Morrison 本名 George Ivan Morrison
「ベルファスト(北アイルランドの首都)のThe Rolling Stones」と言われていたバンド「Them(ゼム)」のヴォーカリストから出発し、現在に至るまで地道に、確実に自分の音楽を作ってきた人。今回紹介するVan Morrisonはそんな人だ。
高校生の頃、David Bowieのコピーバンドをやっていたこともあって、当然ながらDavid Bowieのレコードをよく聴いていた。中でも「Pin Ups」というカヴァー曲ばかりのアルバムには、The Whoや、The Kinks、Pretty ThingsなどDavid Bowieが影響を受けた曲とともに、Themの大ヒット曲「Here Comes The Night」も収録されていた。David Bowieのヴァージョンはいま聴くと、かなりドラマチックに仕上げられていて、それはそれでオレは好き。
-Pin Ups/David Bowie-
1973年リリースの全編カヴァーで構成されているアルバム。David Bowieがどんな人達に影響を受けたのかが良くわかる1枚。中でもオーストラリア出身のバンド、The Easybeatsはこのレコードで知って大好きになり、彼らのレコードが欲しくて中古レコード屋さんを探しまわったもんだ。Themの「Here Comes The Night」は2曲目に収録されている。
そんな経緯もあり、当時一緒にバンドをやっていたギターの山本くんに「Them」のレコードを録音してもらい、初めてVan Morrisonの声を聴いたときの衝撃たるや!!!The Rolling StonesのMick Jaggerも、The Animalsのヴォーカル、Eric Burdonも霞んでしまうほどのインパクトだった!そんなインパクトのある声とは裏腹に、ジャケットに写っている風貌のなんとも地味なこと。そんなギャップがよけいに好きになった。中でも一番聴いたのは「Them Again」という2ndアルバムだ。
-Them Again-
その後、Themを脱退したVan Morrisonは、単身アメリカに渡ってソロアルバムをリリースしていく。ソロ1stの「Astral Weeks」から「Moondance」、「Tupelo Honye」、Dr. Johnと一緒に作った「A Period Of Transition」と挙げればきりがないほど名盤だらけのVan Morrisonのアルバムの中から1枚だけ選ぶとしたら、やはり「Moondance」だろうか。初めてVan Morrisonを聴く人にはとても入りやすいアルバムだと思う。オレ自信もそうだった。その昔、ウルフルズに入って間もなく、ウルフルケイスケ氏にもらったカセットテープに録音されていたのが「Moondance」だった。当時、実家の自転車屋を手伝いながら、店先にラジカセをぶら下げてこのカセットテープを繰り返し聴いていたのを覚えている。
-Moondance-

去年もアルバム「Keep It Simple」をリリース(連載当時)したVan Morrison。地道に、確実に自分の音楽を探し続け、いまだに精力的な音楽活動を続けているVan Morrisonが言うところの「Keep It Simple」という言葉にはとても説得力がある。2009年2月には「Astral Weeks Live」というアルバムとDVDがリリースされるようだ(連載当時)。あぁ、日本でライヴやってくれないかなぁ。
-Keep It Simple-

ソロ通算33枚目のスタジオレコーディングアルバム。ジャケットの顔がどこか尊い僧侶に見えるのはオレだけだろうか。
-Astral Weeks Live-

まさか!!!そんなライヴが開催されようとは!!!!Van Morrisonファンの誰もが想像すらしていなかったはずだ!!!!!!永遠の名盤をライヴでも!!!!!
初掲載:2009.02.06.
加筆、修正:2010.10.22.
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