MUSIC

2010.07.01 (Thu)
Sly & The Family Stone
スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン
Sly & The Family Stone
スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン


2008年の9月、奇跡の初来日を果たしたSly StoneことSylvester Stewart。まだその記憶が残っている方も多いのではないだろうか。オレも幸運なことに、ブルーノート東京でのライヴパフォーマンスを観ることができた。もちろん、全員がオリジナルメンバーではないのだが、当時のオリジナルメンバーだったCynthia Robinsonがライヴのオープニングで「Say! Get Up and Dance To The Music!」と、あの声で叫んだときは鳥肌が立ち、それだけで感動してしまった!

実質、Sly Stoneがステージにいた時間はかなり短かったものの、「Family Affair」や「If You Want Me Stay」を歌っている姿を観れただけでも、オレは十分だった。また、バックを務めていたバンドの演奏が本当に素晴らしく、現代的な「Sly & The Family Stone」と言うとわかりやすいだろうか。なんせ本当に素晴らしい演奏だったのだ!!!

-Dance To The Music-


タイトル曲は知っている方も多いと思う。先のブルーノート東京でのライヴのオープニングもこのタイトル曲だった!!!そんなこともあり、このアルバムはやはり外せない。リリースは1968年、セカンドアルバム。

-Stand!-


言わずもがなの名作!超名盤!!大傑作アルバム!!!数あるSly & The Family Stoneのアルバムの中でも一番聴いたアルバムでもあるし、本当に大好きなアルバムだ!リズム&ブルースと当時のサイケデリック・ロックが合体したら、Sly流のファンク・ロックが生まれたという感じだろうか。明快なわかりやすさがこのアルバムの大好きなところ。

高校生の頃、一緒にバンドをやっていた山本くんにカセットテープに録音してもらいよく聴いていたのだが、彼にはSly以外にもいろんな音楽を教えてもらった。感謝!そんな頃、京都の映画館で「Woodstock」と「Hail! Hail! Rock'n'Roll」(Chuck Berryの映画!)の豪華2本立てのレイトショーがあり、当時のバンドメンバーと一緒に観に行ったのだが、WoodstockでのSly & The Family Stoneのインパクトは強烈だった!しかも「I Want To Take You Higher」の歌詞が、本当は「I Want, I Want, I Want To Take You Higher!」と歌っているところを、何を勘違いしたのか、「A Motor, A Motor, A Motor Cycle Is A Honda!」という字幕が出て来て「なんじゃこりゃー!!!」と腹を抱えて大笑いした記憶がある。そんな歌詞なわけないのにね!Motor Cycle Is A Honda! ではなく、「I Want To Take You Higher」もこのアルバムに収録されている。1969年にリリースされた4枚目の作品。

-There's A Riot Goin' On-


大傑作アルバム「Stand!」に続く1971年リリースの5枚目のアルバム(間にGreatest Hitsがリリースされている)。このアルバムも名盤中の名盤!開放的で肉感的、異常なまでの体温を感じる前作「Stand!」とは対照的に、内側に熱く深く向かっていくこのアルバム。「Family Affair」や「Running Away」など名曲多数収録。Sly Stoneのセンスが爆発している1枚!

どうやらSly Stoneが薬物中毒になっていったのは、このアルバムの頃からとのことらしい。そんなこともあり、もう表舞台には戻ってこないものだと思っていたのだが、冒頭にも書いた奇跡の初来日!全世界のSly Stoneファンが喜んだのは間違いない。

今回紹介できなかったアルバム「Fresh」や「Small Talk」も名盤なので興味のある方は是非、聴いてみて欲しい。

2010.07.01.



2010.06.25 (Fri)
ハート・オブ・ロックンロール
第2回 「新しいリズム&ブルースはロックンロール!」

NRBQ New Rhythm & Blues Quartet (始まりは5人組でQuintetだった)

なんとも名前からしてカッコイイこのバンド。1969年から活動していて来年でデビュー40周年(連載当時)というから驚きだ!日本ではなかなか知名度が上がらないバンドだが、The Rolling StonesのKeith Richardsをはじめ、さまざまなミュージシャンから愛され続けているロックンロールバンド。

とは言いながら、オレも知ったのは2001年のこと。ウルフルズのサポートピアノマン、伊東ミキオ氏が、ある日のリハーサルスタジオにNRBQのビデオを持って来てくれたのがきっかけだった。そのビデオはアメリカのTV番組でのスタジオライブの模様で、曲が始まるやピアノとクラヴィネットを「弾く」というより「叩きつけ」ながら歌っているTerry Adamsという人に、もう釘付けだった!ミキオ氏が「大好き!」というのが本当によくわかる。そこへ持って来てメンバー全員演奏がメチャメチャうまい!!!「うわーーー、こんなすごいバンドがいたんや!!!!!」というのがそのときの率直な感想だった。

    Terry Adams/Piano, Clavinet, Vocal
    Joey Spampinato/Bass, Vocal
    Al Anderson/Guitar, Vocal
    Tom Ardolino/Drums

というのがビデオで観たときのメンバー。(現在はギターがAl AndersonからJoey Spampinatoの弟、Johnny Spampinatoになっている)

-Scraps-

ミキオ氏に見せてもらったスタジオライヴのビデオで演奏されていた「Magnet」という曲が忘れられず、探しに探し回って、その当時、たまたま仕事でニューヨークに行ったときに見つけた1枚。1972年にリリースされたこのアルバムは、まだドラマーがTom Ardolinoではなく、Tom Staley。しかも、メンバーは5人でQuintet時代。名盤!


それから、ミキオ氏に、おすすめのアルバムはどれ?とか、アルバムがたくさんリリースされてるけどなかなか手に入りにくいとか(現在はそんなことないです!)、Chuck Berryの映画「Hail! Hail! Rock'n'Roll」でベースを弾いているのはJoey Spampinatoだとか、そのベースのJoey SpampinatoはThe Rolling StonesのBill Wymanが脱退したときにKeith Richardsにメンバーに誘われたけど断ったとか、いろんな情報を教えてもらった。そんな話をしていると、なんと、NRBQが来日することに!!!2004年の夏、吉祥寺スターパインズカフェでNRBQのライブを観る事ができたのだ!

-At Yankee Stadium-

初めてNRBQを聴くと言う人には、迷わずこのアルバムをお勧めしたい!!!1曲目の「Green Lights」から体が勝手に動くこのアルバム!!!「Get Rhythm」や「I Want You Bad」など名曲だらけの超名盤!!!1977年リリース。


ライヴ当日、なかなか始まらずどうしたのかと思っていたら、主催者の方が「えー、ピアノのTerry Adamsがホテルを出たとこまでは確認しているんですが、ちょっと行方不明になっていまして、もうしばらくお待ちください」と、そんな通常では考えられないハプニングからライブは始まった。そしてしばらくして舞台上手からメンバーが登場。Terry Adamsは前髪を頭の上でくくっていて、服装も着物っぽく、天女のような出で立ちに見えておかしかった。ドラムのTom Ardolinoは黒い半袖のシャツに黒い?ネクタイをしていたような。Joey Spampinatoの服装は残念ながら覚えてないけど、なんか変わった形のベースを弾いていたと思う。ampeg社のものかな?そしてギターはJoeyの弟、Johnny Spampinato。たしか赤いキャップをかぶっていた。とまぁ、そんな服装などは覚えてるくせに、肝心のライブの1曲目はなんだったのか?全っくもって思い出せない。なんせ曲が始まるや怒濤の演奏だったので、無意識にステージから3列目くらいのところまで近づいていた!!! 


NRBQという、こんなステキなロックンロールをやり続けているバンドがいると思うと、本当にうれしい!!!また日本でライブやってくれないかしら?

-Tiddly Winks-


連載当時はまだ聴いていなかったこのアルバム。連載以降にようやく聴いたのだが、これは素晴らしいアルバムだ!!!!!「At Yankee Stadium」にも匹敵する名曲、名演の数々!!!!!「Roll Call」は何度聴いても胸が熱くなるぜぃ!!!!!


2012年1月6日、ドラムのTom Ardolinoさんが永眠されました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。


初掲載:2008.12.05.
加筆・修正:2012.01.11.

2010.06.11 (Fri)
これもブルース 第2回 「転がり続ける白い石達の教え!」
The Rolling Stones
Mick Jagger, Keith Richards, Charlie Watts, Ron Wood,
Bill Wyman, Brian Jones, Mick Taylor,



高校から帰ってきて、普段は滅多に聴かないラジオをその日はつけた。夕方からFMラジオで「The Rolling Stones特集」をやっていたのだ。ラジオをつけると、すでに番組は始まっていて、ドラムのタムタムの音と、聴き慣れない弦楽器の音が、なんとも怪しい雰囲気で流れていた。

「何じゃ、この曲は?」

流れていたのはサイケデリックな名曲、「黒くぬれ(Paint It Black)」という曲だった。慌ててカセットテープをラジカセに突っ込んで、録音ボタンを「ガチャン!」と押したのを覚えている。

ホッとしていると、次の曲は打って変わってなんともロマンティックな雰囲気。

「なんて曲なんやろう?」

流れてきたのは「Ruby Tuesday」という曲だった。さっきの怪しげでサイケデリックな雰囲気といい、なんともいえずロマンチックでドラマチックなこの曲。この2曲のギャップにやられ、その瞬間からThe Rolling Stonesを大好きになっていた。

最後に「夜をぶっとばせ(Let's Spend The Night Together)」が流れて1時間の特集は終わった。特集といえど、結局、俺のカセットテープに録音できたのは、2曲と半分だけだったが、それだけで十分だった。

その後、The Rolling Stonesのアルバムを遡って聴くようになるのだが、 ブルースやリズム&ブルースのカヴァーを、わかりやすいアレンジにしてたくさんやってくれていたので、高校生の俺にはとてもありがたかった!「なになに、この曲の原曲はマ、、、Muddy Watersで、この曲はJimmy Reedって人の曲なんや。なるほど、、、。」
と、まぁ、こんな感じで、高校生の俺がブルースやリズム&ブルースを知るきっかけを作ってくれたのだ。

-The Rolling Stones-


これがありがたかったファーストアルバム(イギリス盤)、その名も「The Rolling Stones」。このアルバムにはブルースやらリズム&ブルースのカヴァーがたくさん入っていて、本当にいろんな人を教えてもらった!当時はイギリス盤とアメリカ盤なるものがあり、収録曲目が微妙に違っていたので、高校生ながら「どっちかに統一してくれー!」と思っていたが、現在はアメリカ盤の曲目に全て統一されているようだ(反対にThe Beatles はイギリス盤に統一されている)。このアルバムの演奏も爆発している!


そんなラジオ番組があった後の話。

友達と、大阪は心斎橋のアメリカ村に買い物に行ったときのこと。

『SALE』

の看板がでかでかと出ている中古レコードショップを発見。

「ここなら、The Rolling Stonesのレコードが安く買えるかも」

と思い、勇気をだして、初めての中古レコードショップに。


俺「ちょっとレコード買いたいねんけど寄ってもええかな?」

友「ああ、ええよ」

俺「ローリングストーンズ、ローリングストーンズ、ロ、ロ、ロ、ロ、、、。あ、ちゃうわ、R、R、R、R、、、Rolling Stones、、、あった!Ruby Tuesday、、、これちゃうなぁ、どれかなぁ、、、3曲とも入ってるレコードないかなぁ、、、。あっ、あったー!」

俺が手にしていたのは8角形のレコードだった。

-Through The Past, Darkly (Big Hits Vol.2)-


友「まだ?」

俺「あった」

友「変わったレコードやな」

俺「え、そやな。ジャケットがな。でも、こないだラジオで録音した曲、全部入ってるし」

友「ふーん、で、なんぼなん?」

俺「うん、、、」


値札には「4800円」のスタンプが。


友「うわっ、高ーっ!お前この後、DEP'Tでジャケット買うんちゃうん?」

俺「え、、、うん、、、そやねんけど、、、このジャケットも捨てがたいねんなぁ、、、」

友「、、、でも高いで、それ」

俺「うーん、、、でも,『SALE』って書いてたし、、、。普段はもっと高いんとちゃうかなぁ。1万円とかするんちゃう?」


そうだ!

絶対にそうだ!!

そうに違いない!!!

普段、このレコードは1万円くらいする代物のハズ。なら、買うのは今しかない。

だって、今日は『SALE』なんやもん!!!!!

そう自分に言い聞かし、友人の忠告も聞かず、俺は4800円のThe Rolling Stonesを買った。レコード盤の状態も確かめずに。

後でわかったことだが、このとき買ったレコードは、いつ行っても4800円だったようだ。

そう、そいつは『SALE対象外』

これもブルース。


初掲載:2007.11.02.

加筆・修正:2010.06.11.
2010.06.01 (Tue)
The Meters ザ・ミーターズ
Arthur "Art" Neville (Organ), Leo Nocentelli (Guitar),
George Porter, Jr. (Bass), Joseph "Ziggy" Modeliste (Drums),


New Orleansの音楽に興味を持つようになったのは、このバンド、「The Meters」に出会ったのが全ての始まりだった。ウルフルズに入ってしばらくした頃、「このバンドええぞ!」と教えてくれたのは、トータス松本氏だったと思う。そのトータス松本氏も先輩ミュージシャンから教えてもらったと言っていたような気がするのだが、当時(1990年頃)は、いまのようにいろんな情報が簡単には手に入らなかったので、先輩(年上)のバンドマンやミュージシャン、ライヴハウスのお兄さん、お姉さん達からの情報は、オレにとっては本当に有り難かったのだ!

そんなことがあり、早速、レコードショップへ買いに行くも、当時、The Metersのオリジナルアルバムは全てのタイトルが廃盤だったのもあり、選ぶ余地もなく買ったCDがこれだった。

-Funky Miracle-


1969年~70年はJosie Recordsというレーベルから、、1972年~77年はReprise Recordsというレーベルからリリースされていて、前者はインストゥルメンタル中心、後者は歌ものが中心という風に分けられる。このCDはまさに前者、69年~70年にリリースされた3枚のアルバムの中から選りすぐられたベスト盤!CD2枚組というのもあり、Josie時代を知るにはこれだけでも足りてしまうほどの名盤だ!

そんな究極のCDに収録されていた曲は、それまでに聴いたことがない音楽だった。「FUNK MUSIC」と呼ばれるものが、何となくだが、James Brownや、Sly & The  Family Stone、Parliamentなどを聴いて、どういうものかわかっていた気になっていたのだが、そんな浅はかな知識をThe Metersは軽く吹っ飛ばしてくれた。一番びっくりしたのが、その隙間だらけの音像だ。派手なホーンセクションが入っている訳でもなく、ギターの音色も歪んでいない。もう、ほんとに隙間だらけと言ったところ。特筆すべきはやはりドラマー、Joseph "Ziggy" Modelisteの叩き出すリズムに他ならない。この人のドラミングは本当に独創的なところがあり、いまも練習している。

そんな頃、偶然にも手に入れることができたのがこのアルバムだった。

-Rejuvenation-


現在でも梅田の高架下にあるショッピングモール"EST"のはずれに、当時「ワルツ堂」というレコードショップがあったのだが(本当によく行っていた!)、そこの「新品再発盤コーナー」で偶然見つけたThe Metersがこれだった。が、ジャケットの雰囲気が上記のアルバムとあまりにも違うので、一瞬「え???」とためらったのを覚えている。家に帰り、針を落としてみると、ほとんどの曲に歌が入っていてまたまたびっくりした!後にこれがReprise時代の大名盤というのを知り納得。そして数年前に、Josie時代のものとReprise時代のオリジナルアルバム、全タイトルがリマスタリングされ、アルバムによってはボーナストラックが追加されて再リリースされたので、是非聴いてみて欲しい。

The MetersがNew Orleansの音楽に興味を持つきっかけを作ってくれたのだが、このバンドのプロデューサーがAllen Toussaintだったというのもとても大きかった。60年代後半から70年代後半くらいまで、当時のAllen Toussaintプロデュースによるシンガーや、Allen Toussaint自身のアルバムでは、バックミュージシャンのクレジットに、ほとんどと言っても良いくらい、The Metersのメンバーの名前が入っている。どれほどの信頼関係だったのかがよくわかる。

-In The Right Place / Dr. John-


1973年のDr. Johnのアルバムだが、プロデューサーはAllen Toussaint、演奏はThe Metersという図式が見事にはまった名盤だ!The Band の解散コンサートの模様を収録した映画「The Last Waltz」で歌った「Such A Night」が収録されているのもこのアルバム。Dr. JohnとAllen Toussaintもいつかきちんとここで紹介したいな。

残念ながら、70年代後半にThe Metersは解散してしまうのだが、その後、リーダーのArt Nevilleは「The Neville Brothers」を結成し、今ではNew Orleansを代表するバンドになっているのはよく知られていること。

しかし、なんといっても、オレにとってはThe Metersのドラマー、Joseph "Ziggy" Moderisteの存在を知ったのがなによりもの出会い!!!

Keep On Strut!!!

2010.06.01.



2010.05.28 (Fri)
ハート・オブ・ロックンロール 第1回 「ロックンロールの王様!」
Elvis Presley エルヴィス・プレスリー
本名 Elvis Aaron Presley




「ユエンナキバラハゥンドッグ!」で有名なElvis Presleyの歌う"Hound Dog"を初めて聴いたのは高校生のときだった。当時、兄の部屋からはさまざまな音楽が聴こえてきていて、Elvis Presleyもその中に混ざっていた。兄の部屋にあったアルバム「Elvis' Golden Records」をすぐさまカセットテープに録音し、自分の部屋のラジカセでよく聴いていたのもこの頃。「Love Me Tender」よりも「Love Me」のほうが好きだったことや、「All Shook Up」という曲が何回聴いても「あ、モーシュコッ!」(何の意味もない!)としか聴こえないこととか、、、当時を思い出してみると、、、くだらないことばかり覚えていたりするもんだ。

-Elvis' Golden Records-


1956~57のヒット曲を満載したベスト盤。だったのに、CDになって収録曲が増えている。増えた曲が下に紹介したSUN時代のものも含まれているので、内容は超強力ベスト盤に!!!数年前、リリースされたベスト盤「30 #1 HIT」よりも、こっちのほうが断然思い入れのあるアルバム。

Elvisが歌う"Hound Dog"がもともとは女性ブルースシンガー、Willie Mae "Big Mama" Thornton(ウィリー・メイ・"ビッグ・ママ"・ソーントン)の曲と知ったのは、それからずーっと後のこと。初めて聴いた"Big Mama" Thorntonの"Hound Dog"は当時のオレには全然受けいれられなかったけど、いまは、普通に聴けている。

というか、最近はこっちのほうをよく聴いている。まぁ、当時のオレにはElvisの歌う"Hound Dog"ほうがわかりやすかったのは間違いのないこと。

そんな"Big Mama" Thorntonのアルバムを1枚。

-The Original Hound Dog / Big Mama Thornton-


アルバムタイトルからして、間違えようのないこのタイトル!編集盤がいろんなレーベルからリリースされているが、ほとんどと言っていいほど"Hound Dog"は収録されているのでご安心を。まぁ、そりゃそうよね。

そんな両者の「Hound Dog」を改めて聴いてみると、"Big Mama" Thorntonの歌声は、まさに爆発している!!!この「爆発力」を持った白人シンガーは当時いなかったらしく、ミシシッピのレコードレーベル"SUN Records"を設立したSam Philip氏もそういう白人シンガーを探していたようだ。そんなときに、Elvis Presleyと出会ったといわれている。Elvis Presleyの歌う"Hound Dog"も負けず劣らず爆発しているが、なんやろう?爆発の仕方が違うというか、爆弾の種類が違うというか。それが個性というものか。

-Elvis at SUN-


このCDの存在はタイスケ事務所の社長、森本さんに最近教えてもらった。「Mystery Train」や「Good Rockin' Tonight」、「That's All Right」など、 若々しく瑞々しいElvis Presleyの歌が聴ける!

いまでこそ当たり前のようにElvis Presleyの歌を聴いてるけど、当たり前じゃなかったその当時、この爆発力を持った白人シンガーの歌う歌はどういう風に聴こえていたのだろう?Keith Richardsは「肌の色が白でも黒でも関係ないとElvisは証明してくれた」と言い、「ものすごい刺激だった。ElvisがいなかったらBeatlesは存在しなかっただろう」とJohn Lennonが言っているように、Elvis Presleyの影響と存在たるや、我々の想像を遥かに超えたスーパーヒーローだったことが、この二人の言葉からよくわかる。 

「キング・オブ・ロックンロール」といわれているElvis Presleyも、小さいときから、やはり、ブルースやゴスペルという黒人音楽を好んで聴き、歌っていたという。

「ブルース」と「ロックンロール」の関係はまだまだ深そうだ。


初掲載:2008.11.21.

加筆・修正:2010.05.28.
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